後輩は性奴隷……5-10
「『お前も』って……言いましたよね? さっき」
「……ん?」
「だから、お前“も”って……」
やべっ! 全く気にしてなかった!
「あれ、他に“も”いるってこと……ですよね?」
語尾が強気なのは気のせいだろうか……。
「あ、それは……ですね……」
言いかけて、俺の頭は、例えるなら逆回転を始めた。
取り繕おうとしていた思考が、素直に話せば良いという方向へと転換していく。
いずれ話さなければならないかもしれないし、俺に興味をなくすイイきっかけかもしれない。
「つまり、真里以外にもそういう関係の人がいるってことだ」
真里の顔が強張っている。
それは当然のことだ。
俺は彼女に「気になる人はいる」とは伝えてはいるが、その人の他に体を重ねるだけの人物が存在するなど普通の思考では思い浮かばないだろう。
「っ……」
彼女は息を呑み、目線を泳がせる。
真里……。
俺なんかよりも、もっと君を大切にしてくれる人がいるは……
「でも、付き合ってないんですよね……?」
「……え?」
付き合うもなにも、結衣はそーゆー対象ではなくて……。
「私にもチャンスをくださいっ」
いや、だから……。
真里の真っ直ぐな目線が突き刺さる。
このとき俺は、彼女の性格を真に理解できた気がした。