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「夜のリンゴ」
【OL/お姉さん 官能小説】

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「夜のリンゴ」-2

そんな私を気にもせず、課長は行き詰まった資料にざっと目を通している。
カチカチとマウスを操作する課長の細長い指、スーツによく似合うなぁ…。

「…澤井、いい?」

「ぅゎ、はいっ」

ぼーっと見とれてた私を促すと、課長は的確なヒントを連発し始めた。
慌てて思考能力を引き出し、続きを書くとあっさり完成。
課長はホントに頭が良くて…もう、大好き!

「ありがとうございました、遅くまですみません」

深々と礼をする。
今週の仕事が終わった。
仕掛けるなら…今よね?

「課長、何かお礼をさせてください」

「いいよ、礼なんか。
自分が早く帰るためだし」

…がーん。
あたしのためじゃなかったの?

「でも!
…じゃあ、遅くなってしまったお詫び、とか…」

尻つぼみの私の言葉。
食い下がってみたけど、自信は無いの。
だって…本当は、好きなのは私だけ。
私が告白してOKもらったけど、「まずは試しにね」って言われて、それから半年、恋人ごっこに付き合ってもらってる感じが抜けない。
たまには食事とか、体の関係とかを課長は誘ってくれるんだけど、それって実は、私が誘いの言葉を出してもらえるように、仕向けているの。
…例えば今夜のように。

「…ダメですか」

最後のトライ。

「…そんなに言うなら、じゃあ」

…やった!


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