後輩は性奴隷……3-4
朝目覚めると、そこに結衣は居なかった。
シャワーを浴びに帰ったのか、1限から授業だったのか……いずれにせよ、生暖かい春の日射しだけが部屋を包んでいた。
取り敢えずベッドから下り、衣服を纏う。
半覚醒の中煙草に火を点け、長い息を吐いた。
瞬く間に煙が部屋を覆い、ヤニ臭ささが立ち込めていく。
どうして……。
なんで一瞬でも、俺はあんなことを……。
無意識の内に、目線をクローゼット型の収納スペースへ遣っていた。
その中には、引っ越した当時から触れられていないアタッシュケースがある。
もう開けることはないだろう。
そう思いながらも、どうしても捨てることはできなかった代物だ。
でも、結衣なら……。
…………いや。
一瞬脳裏を過ったその考えを押し殺すように、煙草を灰皿で揉み消した。