後輩は性奴隷……2-1
夜が明け、俺は相変わらず新勧活動に駆り出されていた。
まぁ、当然と言えばそうなんだが。
「写真部でーす」
なんて言いながら手作りのビラを配り散らす。
写真部はその響きから暗いイメージを持たれがちだが、俺たちの回生が明るいせいか、今年は手応えが悪くないらしい。
加えて、デジタル一眼の流行りも後押しをしているようだ。
簡易的な写真集の効果もあってか、部室まで来てくれる新入生が例年より多い。
デジタルを使ってスクラップブックを作ったりもするので、現像作業とか難しいことをする必要もないし、遊び感覚でも大歓迎だった。
一度部室に来てくれた人は、何度か遊びにも来てくれる。
俺が部室に戻った時も、見覚えのある新入生が何人かいた。
その中で一際目を引いたのは、他ならぬ結衣だった。
特別可愛いとかではなく、昨日のことがあったので、無意識に内に視界に捉えていた。
「お疲れー」
先輩たちが声をかけてくれて、外の情報や新入生歓迎のイベント等について挨拶程度にやりとりする。
その間も、多分結衣の方をちらちら見ていただろう。
「ちょっと良いっスか?」
煙草のジェスチャーをすると、先輩は快く許可を出してくれた。
部室の集合している棟の階段を、足取り軽く喫煙場所に向かって下りていたとき、
「村沢(俺の苗字)先輩っ」
と、俺を呼び止める声があった。
結衣だ。
「あ、え? 白川さんも煙草?」
なんて、彼女の見た目からは絶対にノーと言われそうな台詞を吐く。
今思うと、若干期待していたことが起こった状況に焦っていたのかもしれない。
「違いますっ」
ボケと思ってくれたのか、突っ込みにも似た調子で否定が即答で返ってくる。
「ですよねー」
とか適当におどけながらも、俺に付いてくる結衣の事が物凄く気になっていた。
特に、スカートの中のもっと核心に近いソコの状態が……。
俺は何時もとは違う、少し遠くて人気のない喫煙場所に向かった。
とは言え、やはりそこには数人の喫煙者がニコチンを摂取している。
隅の方に進み、向い合わせに置かれたベンチに座る。
俺は校舎に向かって座り、結衣は反対側、学校の敷地を示す柵に向かって座る形になった。
ちなみに柵の外には、普通の歩道が通っている。
「……そ、剃りました」
煙草に火を点けたと同じくらいに結衣が呟いた。
「へぇ〜……」
興味がないような曖昧な声を出し、でも内心ではかなり驚いていた。
自然と目線が脚の付け根へと向いている。
それを悟ったとか、結衣は腿をキュッと締めた。