第三話――魔人と死神と皇国の聖女-45
「その……そ、そんなに、したいのか?」
「はい?なにがです?」
「だからっ――あの、アレだ、し……ぉ、しり、で……」
その問いに驚いてパスクが顔をあげると、アリスはその白い肌を朱に染め、意の強そうな双眸をふるふると濡らしていた。
相当、恥ずかしかったのだろう――本当に、可愛い。
パスクは、アリスの肩を抱いた。
「……もちろんですっ。アリスさんの身体なら、例え足だろうと髪の毛だろうと魅力の結晶です」
「いや、それは……いいすぎ……というか、本当にマニアックな……」
「マニアック結構!私は、アリスさんが悦ぶならなんでもしますよ!」
「わ、私はっ、その、臀部などではっ――」
「……きもちよく、なかったですか?」
パスクは、もしそうだったのであらば大そうの恥辱をあじわせてしまったことになる――と、表情を強張らせた。
すると、アリスがあわてた様子で付け足してくる。
「いやっ!別にイヤではっ」
「気持ちよかったのですかっ?」
「くぅっ、この……パスク!きみは意地悪だっ!」
「いや、まあ……『魔人』ですし、多少は。で?気持ちよ――」
「よかった!気持ちよかった!〜〜ッ!これで、満足かっ!」
なんだか、怒ってらっしゃる。
パスクは、すでに一度、峠を越してしまい白くなりはじめたアリスの顔を見つめた。