第三話――魔人と死神と皇国の聖女-44
「ぉっ、んぁっっ……パスク!入ってっ――るぅっ?」
アリスの非難の声を聞き流し、人差し指を第一関節まで差し込んでみる。
筋肉の壁だろう、ある一箇所を抜けると抵抗がなくなった。
これなら……、とパスクはさらに押し進めてみる。
「ひぃ、ひぃぅうぅっ」
……これは、悲鳴だろうか?嬌声だろうか?
パスクは、根元まで入れた人差し指を曲げ、伸ばしをしながらも考える。
もし、本気で彼女が嫌がっているのならば、続けるつもりなどは毛頭ない。
だが、この『女聖騎士』の性開発は、恋人として、その魅力に抗うのは難しかった。
「ふむ……。ちゅる、ずずっ」
「ひゃぁっ、舌っ、入ってるっ!」
もちろん、いままでの間にも延々と女陰への愛舐を続けていた。
もう、そこはすでにトロトロと物欲しそうに濡れそぼっている。
ならば、入れれば――、とも思わなくもないが、尻穴の開発というのも耽美だ。
数秒、悩んだ末に、パスクは取り合えず本人の意向を訊ねてみることにした。
「――〜〜っ!そんな、肛門など……本来は排泄する場所だぞっ!パスクは、マニアックすぎるっ!」
……怒られた。
パスクは、一旦、アリスのスカートから顔を出し、今はやわやわと胸を揉んでいるのだが、アリスは羞恥か、悦感か、おそらくその両方を要因に真っ赤になっている。
パスクは唇を尖らせた。
「……ダメですか?」
「ダメだっ!」
「……。…………そうですか」
パスクは、ならば、前を徹底的に犯そうかと自身のローブをいそいそと脱ぎにかかった。
しかし、落胆――というほどのもではないだろうが、多少の気落ちはしていたのだろう、アリスが、途惑いがちに口を開く。