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tomomi
【若奥さん 官能小説】

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tomomi 1-1

親友の知美から電話があって久しぶりに会う事にした。
ご主人の転勤で向こう三年間は宮崎に行くという。

せっかくだから少し奮発してフレンチを食べた後、知美の叔母さんが経営するというスナックに立ち寄った。
学生時代からの親友だけど、昔みたいにそう頻繁に会っているわけでもない。

けれどしばらく会えないと分かるといつまでも名残惜しくてすっかり遅い時間になっていた。

うちの亭主はしがない新聞記者だけど、一度出かけるといつ帰ってくる事やら…
この時間で帰宅してなければ今日もまず帰って来ない。

だからこっちは構わないんだけど、知美も準備に追われてる事だろうに忙しい中でわざわざ会いたいと言ってくれて…それだけでも親友とはいいものだと私は思っていた。

「そろそろ帰ろうか…」

知美の叔母さんが営んでるスナックというのは小さな歓楽街にあって、そこだけ賑やかだけど、周りは民家だった。

県道だか市道だかを隔てて駅へと続く道は静まり返っている。
通りを挟んだところで知美が上着を忘れたと取りに戻った。
こんなところは何年たっても相変わらずだ。

私は街灯のそばで、ぽつんと立ってネオンに浮かぶ通りの向こう側を何気なく見ていると、向こうから妙な男がひとり歩いて来て声をかけてきた。

「おぉ、見ない顔だね。
景気はどうだい?」

「はい?」

少しばかりいい具合に酔っ払ってるのかよく聞き取れないけど、そんなような事を話しかけてきた。

「今夜の調子はどうだね?」

「何ですか?」

怖そうな男ではなかったがあまり関わり合いになりたくもない。
かと言って知らん顔してて絡まれても困るのでここは毅然と受け応えする事にした。

すると男の方はじっと私の顔を覗き込む。

「何だ違うのか、こりゃ失敬、失敬…」

そう言って軽く手を振りながら機嫌よく、ふらふらと真っ暗な通りを渡って今度はネオンの下に佇む女の子と何か話している。
何だろう?と見ていたら、しばらく客引きの女の子と話して腕を組んでネオンの中へと消えて行った。

「どうしたの?」

そこへ戻って来た知美にいきさつを話したら

「昔からここは多いのよ。
治安が悪いって叔母も言ってたわ。」

つまり、夜の女と間違われたというわけだ。


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