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マネージメント
【アイドル/芸能人 官能小説】

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2・姉と不機嫌と前の穴-3

−翌日
ラジオの収録が終わって、雅はブースの作家さんと話していた。

あ・・・また台本に落書きしてる。作家さんに怒られてるけど、笑ってる。
でも、一応真面目に次回の台本を読んでるわね。話しながらだけど、まあいっか。今くらいはね

全く、思う通りに好き勝手やってるわね。仕事が終わったとはいえ・・・・
でも、きっと今日は久々に早く終わったからリラックスしてるんだ。

車の中に乗っても雅はずっと喋っていた。

「こないださ、姉ちゃんから電話あってさ・・・」
「へえー。どんな事話したの」
「大した事じゃねえよ。ちゃんと飯食ってるかとか、寝坊してないかとか」

まるで母親みたいだったので思わずくすっとしたら、雅がへそを曲げてしまった。

「笑うなよまりな!何がおかしいんだ!」

不機嫌そうに眉間にしわを寄せる雅をバックミラー越しに見て、思わずもう一度くすっとした。
それに気を悪くした雅が私に悪態をつく。

「好きで電話したんじゃねえぞ!大体、姉ちゃんは昔からお節介なんだよ、俺は好きじゃねえんだ!」

後ろの席から身を乗り出して私の耳元で喚いてきた。
怒りに火が点いてしまったせいか、いつにも増して声に勢いがある。
ひとしきり怒鳴った後、雅は低く呟いた。


「・・・なあ、この後空いてるか?まりな」


いきなりトーンが落ちたのでうまく聞き取れなかったけど、もう一度聞いて、雅が伝えようとしている事が理解できた。
いいけどなに、と聞いたら雅は眉をぐっ、と動かした。

「話がある。すぐには終わらないからな」

それだけ言うと席に戻り、頬杖をつきながら窓を眺め始めた。
何の話か聞き返したけどもうこちらには目もくれず、無視を決め込んでいる。

(うわあやっちゃった・・・雅、一度機嫌損ねちゃうとなかなか治らないのよね・・・)

話、っていうのは間違いなくあれの事だろう。
それから暫く運転して雅を家まで送り届けた。
時間を見ると6時過ぎだった。

「ねえ雅、私に何か用事?」
「ああ。別に大した事じゃねえけどな。でもさっきも言ったが、すぐには終わらない」

ついさっきも言ってた言葉を繰り返し私に告げて、雅は黙ってしまった。
全くの無表情ではないけど喋らず、私の捕まえたまま離そうとしない。
機嫌の悪い時は口数が少なくなる、いつもの雅だ。

・・・でも、今日は何だか結構怒ってる様に見える。
何かいけない事を言ってしまったのだろうか?

「ねえ、話って何?」
「おかしいのか、姉ちゃんに心配されたのが」
「えっ?別にそんなつもりじゃ・・・」
「お前、さっき笑っただろ。おかしいんだろ」

やっぱり、変だ。
何でそんな事を気にするんだろう。
私にも弟はいるけど、お姉ちゃんが弟を心配するのは別に変じゃない。
でも、もう雅は来年で二十歳になる。それなのに心配するのはちょっと過保護かな、と思っただけだ。


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