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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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幼年編 その六 策謀-4

**――**

 リョカ達は焼き鳥やの屋台を離れ、のんびり出来そうな広場に来ていた。
「まったく、坊主はアホか……」
「そうだな。こんなアホ、見たこと東国では見たことが無い……」
 少年とシドレーはベンチに深く腰を下ろしながら、何度となく同じことを呟く。
「僕そんなにおかしいかな?」
「いえ、貴方はとても正しいことをしたとおもいますよ」
 そう言ってくれるのは弟のほうぐらい。リョカは頭を掻きながら、シドレーはともかくとして少年が着いてくるのかと悩んでいた。
「ときに貴様、名はなんと言う?」
「えと、リョカ……、リョカ・ハイヴァニアです」
「年は?」
「十二です」
「そうか、俺と同い年か……。だが……」
「まったく世間というもんを知らんやっちゃな……」
「その通りだ……」
 そしてまたこのやりとりに行き着く。
「まあ渡してしまったものはしょうがない。だが、これでは分け前が減るな……」
「え?」
 少年は弟の持つ包みを開けると、ごちゃっとなった焼き鳥の数を数え始める。
「そっちの猫はまあ、一本あれば十分か? だが砂肝はやらんぞ。俺も食べたいのだからな……」
「僕らは別に……」
「俺は言っただろ? 褒美をやると。ふん、貴様のようなバカには過ぎた褒美だが……、そうだな、俺様の子分になるというのなら分けてやるぞ?」
 少年は腿肉を串から抜いてガロンに与えており、ガロンも夢中で頬張っている。
「子分?」
 聞きなれない言葉に首を傾げるリョカ。だが、それを遮るようにシドレーが前に出る。
「なりますなります! 俺ら二匹と一人、あんさんの子分になります!」
「ちょっとシドレー、僕らはそんなに長くは……」
「いいんやて、コイツはそういうの確認しないで俺らを誘ったん。つか、これが世渡りってもんやで?」
 ひそひそ声で言うシドレーはなんとも侘しい処世術を伝授してくれる。
「ふむ、ならばリョカ・ハイヴァニアよ、俺様の子分となった証として、この雛皮とねぎ間をくれてやろう。大事にするがよい」
「ははぁ……」
 大げさに言う少年に対し、リョカもあわせて跪いてそれを受け取る。
「ねね、俺には? 俺には?」
 シドレーは少年の周りを煩く飛び回りながら、意地汚く催促する。
「ふん、ドラゴンニュートなどという下級モンスターの子分などいらん」
「そんな〜せっしょうなこといわんと、坊ちゃんさま〜!」
「それに俺は坊ちゃんではない。ヘンリー・ラインハルトという立派な名前があるのだ」
「はは〜、ヘンリー様、どうか私めにも……」
 反射的に跪くシドレーだが、その名前に「ん?」と気付く。
「「ラインハルト?」」
 それはラインハット王国に一つしかない姓。ラインハット王家の苗字だった……。


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