異界幻想ゼヴ・セトロノシュ-25
ティトーは華奢な腰を抱え、思い切り肉棒を打ち付け始めた。
「ひっ……ぁう、うぅあううぅ!」
いきなり始まった激しい動きに、深花は嬌声を跳ね上げる。
痛くはなく、気持ちいいのが不思議だった。
たぶん、それだけ丁寧に扱われているのだろう。
「あぐ!」
一際深く肉棒が突き刺さり、深花は大きくのけ反った。
思わず腰を捻ると、ティトーが顔を歪める。
ティトーはいったん腰の動きを止めると、唇を求めてきた。
ゆっくり蜜壺を撹拌しながら、濃厚に舌を絡め合わせる。
「ふっ……んうぅ……ん……」
細い首に腕を回してすがりつきながら、深花は必死でそれに応えた。
ある程度自身が落ち着いたらキスを止め、ティトーは再び腰を使い続ける。
「あ、ぅ……!あ、はぅ……あああ……っ!」
「っく……悪い、そろそろ……」
ため息を一つつき、ティトーは抽送を加速させた。
そのまま、蜜壺の最奧で果てる。
「あ……っ」
子宮口に向かって温かい液体が何度か打ち付けられるのを感じ、深花は声を漏らした。
大きく息を吐いたティトーは接触を解き、動けない深花の隣へ身を横たえる。
「……痛いとか苦しいとか、嫌な事はなかったかい?」
体を寄り添わせながら、ティトーは尋ねた。
自分の背中に温もりが接近したのに気づくと、深花の思考は夢見心地から急に現実へ引き戻される。
「あ……は、はい。大丈夫、です」
「結構」
手の平で優しく頬を撫でると、ティトーは微笑んだ。
どうやらティトーに離れるつもりがないらしいと悟った深花は、体を弛緩させた。
「……聞かせてもらえるかな?」
優しく肌を撫でながら、ティトーは言う。
「何をですか?」
ちゅ、と肩に唇が落ちた。
「ラタ・パルセウムの事……とりわけ、君がどんな所でどういう風に暮らしていたのか」
くくっ、とティトーが笑う。
「まあ、俺達の事はおいおい分かる。割とドロドロしてるから、聞くのは少し覚悟が必要だろうけどな」
聞かれた事に答えるため、深花は考えをまとめた。
「あそこは……たくさんの人種にたくさんの国があって、私が暮らしていた国は中でも一番歴史があって一番平和を享受していました」
それから、ティトーに向かって色々話す。
国土は小さめでその成り立ち上人の住む所は狭く、代わりに山と川と自然災害が多い事。
文明の発展度は世界でもトップクラス、世界中から色々なものが流れ込んでくるし、その中からよその国の文化を積極的に取り入れて自国に合うようアレンジする手腕は特筆もの。
今までだったらできないとされていた事に挑んで成し遂げるのが大好きで、それをよそへ公開する事を惜しまない国民性。
もっと言葉を尽くしたが、要約するとこんな所だ。
「まあ……それぞれの道にそれぞれのスペシャリストがいるので、私のような一般市民は補修・修繕技術にあまり強いとは言えませんね」
「なるほど……」
深花は、軽く唇を噛む。
「すみません、何のお役にも立てなくて……」
それを聞いたティトーは、即座に反駁した。
「役に立つか立たないか決めるのは、君じゃない」
深花の顔を自分の方に振り向かせると、その唇をついばむ。
「少なくとも俺達に関係する人間は、君が貴重な宝石を異世界から持ち帰った事にこの上ない感謝をしている。それについて君がどれだけの犠牲を払ったのかは推し量る事しかできないが、それについては俺達三人が埋め合わせられるよう最大限の努力と注意を払……」
ティトーの言葉は、途中で遮られた。
深花がそっと、ティトーの胸に顔を伏せたせいである。