異界幻想ゼヴ・セトロノシュ-10
「あぅ……!」
その部分は既に赤く熟し、たっぷりと蜜を滴らせていた。
「あ、あぁ……!」
深花が腕を伸ばし、ジュリアスの首にしがみつく。
「……?」
拭えない違和感に、ジュリアスは眉をしかめた。
深花の反応がどうにも初々しいというか、慣れていない印象を受ける。
年としては自分より一つか二つ下で、どう考えても成年に達しているはずなのだが……。
その違和感に見切りをつけ、ジュリアスは体勢を変える。
そして、一息に深花を貫いた。
その瞬間、違和感の正体に気づく。
慣れていないのも道理で、深花は男の味を知らなかったのだ。
引き裂かれた処女膜から、血がにじむ。
「あっ……う!はぅ、うぅ……!、」
慌てて、ジュリアスは深花の様子を確かめた。
その表情に痛みを示すものは見当たらず、結合部はむしろ先を促すようにさざめいて侵入者を締め上げる。
絶妙な締め付けに小さくため息を漏らすと、ジュリアスは言った。
「動くぞ」
少し慎重に後退し、ゆっくりと肉壁の中に埋没していく。
処女の生硬さより男を受け入れる女としての悦びに満ちた淫裂は、ためらう事なく肉棒に纏わり付いてきた。
痛みを感じていない事は承知しつつも様子見を続けたジュリアスはやがて快感に抗えず、徐々に腰を加速させる。
動きが速く激しくなると、それに応えるように受け止める深花の嬌声も増した。
結合部が奏でる濡れ湿った音が聞こえるのか、深花の内壁は恥ずかしげに震えながらも狂おしく絡み付く。
「ひぃっ……あ、うああっ!ん、ぐううっ……!」
「っく……う!」
ますます加速していたジュリアスの腰の動きが、不意にぴたりと止まった。
深花の最奥部で、肉棒が爆ぜる。
「あう、あ、はう……!」
射精を受けて、深花の全身がわなないた。
「……っふ……!」
ため息を一つつき、ジュリアスは結合を解く。
本当に『応急処置』としての……不本意な行為だった。
と、言うよりも……まさか初めてだったとはという動揺の方が大きい。
基本的にこの世界……成人・初婚年齢が低い。
それはそのまま、処女・童貞率の低下が進んでいる事を意味する。
だからまさかこの女が……それなりの年になっているであろう深花が未経験であるとは思わなかったのだ。
言い訳、と言ってしまってはそれまでだが……自分の世界の常識だけで判断してはいけないと、強く釘を刺された気分である。
「……おい?」
先程から深花がぴくりとも動かない事に気が付いて、ジュリアスは声をかけた。
……反応がない。
「おいっ!」
深花の体を揺すぶり、反応を見る。
「……」
声こそ出さないものの体は温かく、きちんと動いた。
単に気絶しただけと知り、ジュリアスは安堵する。
「っとと……」
そろそろ救援が来ると思い、ジュリアスは慌てて深花に服を着せ始めた。
下着類の扱いは、心得ている。
遠くから、自分を呼ぶ声が聞こえていた……。