援助交際-6
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「東宮、ここは雨宿りだけの使用には贅沢な場所だぞ」
僅か数センチだけ上にある、東宮の白い顔に呟いた。
俺の顔に垂れ下がる金色の細いカーテンがゆらゆらと揺らぐ。
「いつまで素っ気ないふりしてんの?分かるよ、先生の気持ち。1人はもう嫌なんだ」
「・・・・・・・・・」
はい、そうです、とは答えなかった。
それでも丸分かりだろう。
恋人に裏切られていた事を知った中年男が、家に居場所の無い自分と重なって・・・・・・
俺は恋人、東宮は家族が原因なんだからちょっと違うと思うが、心の拠り所が無いというのは共通しているのだろうか。
「ねえ・・・エッチしようよ。私、先生となら・・・・・・」
俺の胸に置かれた手。
小さくて、冷たくて、心許なく居場所を求めて彷徨う、少女の手・・・・
東宮の喉が小さく鳴り、顔がゆっくりと降りてきた。
繋がる唇は温かく、柔らかくて、でも乾いていた。
・・・そして、小刻みに震えている。仕方ない・・・よな、寒いからな。
自分から重ねた唇を離して、跨っていた下半身から降りた。
そして俺の隣に横たわって小さな声で、来て・・・と呟く。
「東、宮・・・・」
いつも授業中平気でメールを打ってる様な奴が。
大して高くもない購買の卵のサンドイッチを、嬉しそうに頬張ってる子供が。
こんなに女を匂わせるなんて、俺はどうしたらいい?
東宮はただ、さっきの事を忘れたいから俺と体を重ねたいんだ。
いいのか・・・・本当にいいのか、してしまっても。
俺は東宮に乗っかる様に跨り、その肩に手を重ねた。
「ひ・・・・・・っ!!」
しゃくり上げた東宮は目を開いて、俺を見上げた。
・・・・肩が震えている。
これは、寒いからじゃない。
さっきだって唇が震えてたのに、何で気付かなかったんだ。