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嘘つきな I LOVE YOU
【理想の恋愛 恋愛小説】

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嘘みたいな I LOVE YOU-5

♪♪♪♪♪♪♪♪
「あ、ごめん。会社から電話。」

そう言って千優希が席を立つ。まさかこれからまた会社に戻るとか?
不安げに千優希が消えた方を見てるオレに、安部ちゃんがニヤニヤしながら言った。

「オレら先にカラオケ行ってるから、おまえ後から北川と二人で来いよ。」

そう言って、会計伝票を持って席を立った。

「がんばってね。」
「検討を祈る!」
柊と片瀬も後を追う。

何をがんばれってゆーんだ?無責任なっ。
一人残されたオレは、しかたなく千優希が電話をしている方へ行く。アイツはまだ電話中…。
どうやら男が相手っぽい。仕事の話みたいだから、後輩ってとこか。

こんなささいなことでも気になるオレって、なんかちっちぇ〜なぁ……。自己嫌悪に陥っている間に、千優希の電話が終わったらしい。

みんなが先に行ったことを告げて、二人で店を出る。

並んで歩いても、肩にも満たない千優希の背。ちっちゃくて、か弱そうで、ギュッと抱き締めたくなる……。それをやったら俺たちは、たぶん壊れてしまうんだろ?
こんなに近くにいるのに、一番遠いんだ……オレと千優希の距離は。

「あれ?千優希先輩?」
通りすがりに声をかけられた先には、どうみても千優希より年上そうなきっちり化粧したお姉様系の子。仲間らしき数人と集まっていたようだった。こんなに老けてて後輩なのか。なんかすげぇな。
感心したよーに固まってると、その子がこっちを覗き込んで言った。

「千優希先輩の彼氏ですか?」

ちょっと嬉しいオレを尻目に、千優希がさっさと否定する。

「高校からの友達でケンボーってゆーの。」

笑顔であっさり否定されてしまった……。
やっぱり脈なしか。オレの気持ちは、どんどん押さえきれなくなる一方なのに……。

「おまえさぁ…、いいかげんケンボーって呼ぶの止めよーぜ。」

千優希が話終わって、二人で歩き出してから、それとなく千優希に抗議してみた。

「はぁ?今更、藤木くんでもないでしょーがっ!」
呆れたようにあっさり否定………。

誰が名字で呼べっつった?そーゆー意味じゃねーよ……ツッコむ気力もなくなった……。抗議した俺がバカでした。

意味わかんないっ!って隣でプンプンむくれてる千優希も、めっちゃかわいくて、くしゃくしゃっと頭を撫でてなだめる。

カラオケに着いて、しっかり千優希の隣はキープする。安部ちゃんや柊でも、千優希の隣に座られるのはなんとなく嫌なんだ。
くだらない独占欲だってわかってる。
3人の中では俺が一番千優希と付き合いが長いし、仲もいい。千優希もきっと、特別仲がいいって思ってはくれてるだろう。
でも俺は――もっと違う【特別】になりたがってる――。これ以上望んだら、千優希は離れていってしまうに違いない……。



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