黒い看護婦5-1
さすがだよ…樹里さん
明け番を挟んで今日の樹里さんのシフトは…。
早番みたいだ。
どう言うパターンなのか、よく判らないから…樹里さんに聞いてみようかなぁ。
まとも教えて貰えるとは思いずらいけど。
やっぱり…なんとか知りたいよなぁ。
そんな事を考えいるうちに同室のじいさん二人が。
各々、検査や治療に病室を出ていった。
このタイミングで樹里さん…来てくれないかなぁ。
なんて考えてる時だった。
まさに以心伝心って感じで樹里さんが入ってきた。
「おはよ」
今日も褐色顔にド派手なメイクの樹里さんがニカッと笑う。
僕ももちろん笑顔になってしまう。
「今日は何して遊ぶ?」
屈託なく話しかけてくる樹里さんはまさに黒い天使だった。
僕は普段に増してメロメロになってしまう。
そして…。
「ゆっくりお話でもしましょうか?」
咄嗟に出てきたのはそんな言葉だった。
どうも本気でイカレてんな僕は。
「お話だけでいいの?」
意味深な笑みを浮かべてベットの脇に腰を下ろす樹里さん。
僕はブンブンと頷いて応えた。
本音でもあり、本音ではない。
エッチな事もしたいと言う気持ちと。
その前に樹里さんの事をよく知りたいって気持ちが。
シノギを削ってぶつかり合っている。
そんな僕の心の葛藤に気がついてるのかなぁ…樹里さんはニタニタと笑って僕を見つめている。
「タカチンって彼女いるの?」
唐突に樹里さんが聞いてきたけど。
初めて名前を呼ばれた!しかもチンって。
僕は堪えきれずに思いっきりニタァっとしてしまった。
「タカチン…なんだよ!その顔よう」
ケラケラ笑った樹里さんがグーで僕の顎をグリグリってやってきた。
駄目だ…心が蕩ける。
樹里さんって…。
エロい事の天才だけど。
恋愛に関しても天才的だ。
「どうなんだ?いるのか?彼女」
樹里さんが僕のホッペタを摘むとビヨォォォって引っ張る。
「いまへん!いまへん!」
横に伸びた口で答える僕だけど…。
やっべ!ちょ〜楽しい。
「じゅ…樹里しゃんは…ひるんでふか?」
樹里さんは僕のホッペをまだ放してくれないけど…。
一生こうしてたいよ。
「なにが?」
片手で僕のホッペを摘んだまま…樹里さんが意地悪そうに笑いかけてきた。
「はれひ…」
僕はニタっとした流し目で樹里さんを見つめた。
「たたたた…」
僕のホッペを引っ張って自分の方を向かせた。
そして…。
もう片方のホッペもムギュ。
「ひてててて…」
これは流石に結構痛い。
けど…エッチな事をする時にいじめられるのより楽しいかも。
「知りたい?」
痛がって顔を歪める僕に樹里さんが満面の笑みを向ける。
「ひたい…ひひたいれす」
僕はホッペの痛みを堪えながらもニヤニヤ。
「なに言ってるか…わかんないよ、知りたかったら大きく頷きなさいよ」
えぇ…そんな事したらホッペ、本気で痛いじゃん。
ホントに容赦のない樹里さんだけど。
楽しいし、仕方ないし。
僕は大きく頷いた。
けど…樹里さんは手を動かさないから。
目一杯、引っ張られて僕の両頬が樹里さんの指先から離れた。