黒い看護婦5-3
「ふん…ふん…」
僕は夢中で樹里さんの唇を貪り続けた。
うっ!き…来たぁ!ネクストステージ。
唇よりもっと柔らかい。
樹里さんの柔らかい舌が僕の唇の間に押し入ってきた。
ヌルヌルといやらしい感じで樹里さんの舌が僕の舌に絡みついてるけど…。
なんだろ。
性欲二割、愛情七割くらいの気持ちで僕は樹里さんの舌を受け入れている。
あとの一割は初めてと言ってもいい、大人のキスにホワッてして…よく判らない気持ちだ。
ってか樹里さん…僕の舌に自分の舌を絡めながら。
僕をギュッと抱きしめてきた。
なんだ!この優しさのオンパレード。
ってか無理。
僕も夢中で樹里さんの柔らかい身体に抱きついちゃう。
チュ…チュ…。
依然、重なり合い…絡み合う。
僕と樹里さんの唇と舌。
全身で感じる樹里さんの身体。
僕の気持ち遥か高い雲の上をフワフワと彷徨っている様だった。
そして…。
暖かい感触、たっぷりの余韻を残して樹里さんの唇が僕の唇を離れた。
顔を離し優しく微笑む樹里さん。
「樹里さん…」
僕の目も…心も…樹里さんの褐色の笑顔しか見えない。
例え…またこの後、頭突きされても。
樹里さんへの僕の想いは変わらない。
「タカチン…また後でね」
樹里さんがスッと立ち上がった。
もしかして?今日はとことん優しいの?
でも…でも…もう行っちゃうんだ。
僕は初めて恋焦がれる故の歯痒さ…寂しさを知った様な気がした。
つづく