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ピリオド
【姉弟相姦 官能小説】

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ピリオド 終編-6

「ウチも年末に備えて忙しいからね」

 歳暮用や年末用の増産で、家業の方はフル稼働が続いており、とても時間を設けるなぞ出来そうにないとの返事だ。
 しかし、事情を聞いたからといって、おいそれと引き下がれるモノではない。
 亜紀の、いや、親父やお袋の、しいてはオレの今後にも影響を与える事柄なのだから。

 オレは、抑えていた気持ちを吐露した。

「…義兄さん。姉は“例の話”が進展しない事にしびれを切らしてる。今じゃ、自虐的な考えに徹してでも事を成そうという考えになりつつあるんだ」
「自虐的な?」
「そう。義兄さんやご両親を目の前にして…」

 この際、仕方ない。オレは竹内に、姉の“仕掛け”を打ち明けることにした。


 ──このまま進めちゃ、亜紀が悪者になってしまう。


「……話は以上です。だから、早急に会いたいんですよ」

 云い終えると竹内の反応を待った。5秒、10秒。しかし、受話器から声が聞こえてこない。

「義兄さん?聞こえてるんでしょうッ」

 つい、感情を抑え切れずに返事を強要してしまう。

「義兄さん!」
「アイツはそれほどまでに…」

 ようやく聞こえて来たのは、先ほどまでの張りのあるのとは違う、呟くような低い声だった。

「…和哉君」
「はい?」
「明々後日の9時。場所は先日のスナックでいいか?」
「3日後の9時ですね。わかりました」

 竹内の心中を察すれば、同情したくなる。だがオレの心の中には、“これで穏便な解決策を導き出せるかもしれない”という思いの方が強かった。

 話を終えて受話器を戻しかけた時、竹内の“しかし和哉君”という声が続いていた。

「君も世話焼きだねえ」
「えっ?」
「いくら姉弟とはいえ、ひとの離婚話に首を突っ込むとは…」
「それは…」
「それほど興味が有るのかな?」

 少し挑発的な語り口。
 その声は、いつもの口調に戻っていた。

「どうしたんです?義兄さんらしくもない」
「いや…何でもない。じゃあ明々後日にな」

 取り繕おうともせずに電話は切れた。
 次の瞬間、オレの胸の中にモヤモヤとしたモノが残った。

 義兄弟になってから今日まで、竹内が人を蔑むような態度を見せたのは初めての事で、その相手が自分に対してとは思ってもみなかった。

(亜紀の本音を聞いて、ナーバスにでもなったのか?)

 そんな単純な思考の持ち主なら苦労しない。だったら先日会った時に、自らの気持ちをオレに打ち明けたりしないだろう。

(ひょっとして、亜紀同様、竹内も何か隠しているのか?)

 その途端、自分の頭に浮かんだ考えに口の中が苦くなった。



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