投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ピリオド
【姉弟相姦 官能小説】

ピリオドの最初へ ピリオド 67 ピリオド 69 ピリオドの最後へ

ピリオド 終編-33

「だったら、な、何で云ってくれなかったんだッ。姉さんはいつもそうだ!
 肝心なことは何ひとつ教えちゃくれないッ」

 こんなつもりじゃないのに、笑って別れたいのに。わがままさが、前に出てしまう。

 そんなオレに、亜紀は表情を変えた。──悲しげな顔に。

「…まだ、時間はあるわね。少し話そうか?」

 亜紀は時計を見つめて、ベンチに腰掛ける。オレも隣に座った。

「今さら、何の話だよ?」

 心にもない言葉が出ちまう。

「ねえ和哉?」
「何だよ?」
「その肝心なこと…聞いた後で後悔しないでね」

 なんだ?この回りくどい云い方は。

「内容によるよ」
「そう…」

 亜紀は、黙ってしまった。
 明らかに、話出すのを躊躇っている。

「分かったよ。後悔しない」

 オレは笑みを作った。

「本当に?」
「ああ、絶対に」
「わかった」

 亜紀も微笑み、視線をホームに移した。

「…わたしが、離婚した理由は知ってるよね?」
「ああ。不妊が主な原因と思ってるけど」

 ホームを見ていた顔が俯く。

「わたしね…妊娠…したことあるの…」
「えっ?」


 ──なんだって!


 想像すら出来ない事実を前に、オレの心はかき乱される。

「それ…いつ?」
「高校の時…」
「じゃあ…オレ逹の…」
「……そうね」

 お互いが高校生になった時、ある日をさかいに亜紀はオレを拒むようになった。
 オレはただ、“許されざる行為”に後ろめたさを感じたとしか思ってなかった。

(そうじゃなかったんだ)

 涙が出て仕方なかった。

「…堕胎して…そして産めない身体になった…」
「…ごめん……ごめん…姉さん」
「まったく…」

 ハンカチを握った手が、オレの顔を撫でていく。

「やっぱり…ダメな弟だね」
「…そんなこと…云ったって…オレは姉さんの一生を…」
「もう終わったことよ。それより…」

 小く、細い手がオレの肩を掴んだ。


ピリオドの最初へ ピリオド 67 ピリオド 69 ピリオドの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前