ピリオド 終編-28
「やめろって」
口では拒んでいるが、胸中では久しぶりに受ける亜紀の愛撫を欲していた。
こうなることを亜紀は望んでいるのか?
オレは確かめたくなった。
「…このままじゃ…昔に逆戻りだぞ。いいのかよ!?」
「わたしよりも、アンタが欲しいんでしょう?」
亜紀は手を緩めない。
(だったら、成るようになれだ)
──もう、止まらない。
オレは亜紀の両腕を掴んだ。
「な、なに…?」
「亜紀の気持ち、分かったよ」
身体ごとベッドに押し倒す。
「キャッ!ちょっとッ」
鼓動は爆発しそうに高鳴って、身体が痛いほどに疼き始めた。
「や、やあッ!」
オレは覆い被さると、亜紀に口唇を押しつける。熱い想いに股間はすでに硬くなり、先が濡れているのを感じた。
「う…ふん…」
口唇を重ねて、舌で亜紀の口唇に触れた。
口元は緩み、オレを口腔の奥へと導く。二人の唾液が混ざり合って、熱い吐息が鼻から抜けていく。
「はぁ…ぁ…亜紀…」
「ふぅ…ん…焦り過ぎよ…」
身体が総毛立つほどの興奮が湧き上がる。こんな気持ちになるのは、久しぶりだ。
長い口づけの後、互いの重なりが解ける。荒い吐息のまま、二人の目が合った。
「和哉…お酒くさい…」
「…お互い様だろ…」
クスリと笑った口元と、潤んだ瞳がオレをそそらせる。
「ええい、邪魔だッ」
──今すぐ欲しい!
もどかしさが先に立ったオレは、自分でも信じられない速さで着ているモノを剥ぎ取った。
「亜紀、もう…出ちまいそうだ」
興奮から、逆流した血潮がすべてペ〇スに集中したような感覚。硬く反り立ち、脈を打って膣内(なか)に入れたいとせがんでいる。
「亜紀も…脱いでよ」
オレは亜紀のシャツに手をかけた。
ゆっくりとたくし上げると、亜紀は両腕を上げて脱がし易い体勢をとる。捲り上げた時、揺れて乳房があらわになった。
「下も…」
下に着けたパジャマごとショーツを掴み、引き下ろす。オレにとって、“あの頃”と変わらぬ恥毛の淫靡さが、身体の芯をさらに疼かせた。