ピリオド 終編-27
「…姉さん、何云って…」
「おかしい?」
亜紀はベッドの縁を這い上がり、オレに身体を寄せた。
「な、何してんだよ?」
本気とも冗談ともとれる行動にオレは戸惑う。顔が、目の前に近づいてくる。
「和哉、あの夜の前は覚えてる?」
「あの前…?」
何の事だ?あの夜の前って。記憶を手繰ろうとするが、酔った頭じゃ上手く働かない。
「もうッ、仕方ないわねえ」
亜紀は、しびれを切らせて口唇を尖らせた。
「一緒にお風呂に入って…キスしたじゃない」
忘れられる訳がない。オレにとっては、“性”を感じた初めての出来事なのだから。
「ああ…それが?」
「どう思った?」
「どうって…」
まさか、今さら感想を求められるとは思ってもみなかった。
「気持ち良かった?」
「そりゃ…」
「アンタあの後、部屋でオ〇ニーしてたよね?」
見上げる亜紀の目が、冷たく笑っている。オレは、身体中の血液が一気に脳天に達したような感覚になった。
「…見てたのか?」
「となり同士の部屋だもん。音なんか丸聞こえだわ」
この歳になって恥部を曝されるとは思わなかった。
「ほら、やっぱり」
亜紀の手が、ジャージ越しにオレのペ〇スを握った。
「なんだかんだ云って…こんなにして」
「やめろってッ」
手首を掴んで行為を拒む。──こんな状況、ダメだ。
受け入れたら、また地獄が始まっちまう。
しかし亜紀は、オレの思いをあざ笑うかのように薄笑いを浮かべている。
「それからアンタは、わたしの部屋を覗くようになったのよね」
「何を…」
「わたしが部屋でオ〇ニーをしてた時、アンタはドアのむこうからわたしを見て、自分でやってた」
隠していた事実が、次々と暴かれる。
「姉さんッ!知ってて…」
「わたしがエクスタシーを感じている傍らで、アンタもわたしで射精してたよね」
細く柔らかな手が、オレのペ〇スを握った。
「ほら、和哉の欲情してる。…アンタはね、やっぱり異常なの。姉のわたしじゃないと興奮しないのよ」
握った手が上下してオレを狂わせようとする。