ピリオド 終編-18
「ふ…ん」
身体を支えながら、背中に手を回してホックを外すと、形の良い乳房がわずかに揺れた。
ゆっくりと寝かせて、トレーナーに腕をとおした。
胸元から、亜紀の匂いが鼻腔をついた。
(亜紀…)
思わず喉が鳴った。
「まったく…よく寝てるよな」
ごまかしの言葉。慌てて胸元をトレーナーで覆い隠した。──これじゃ強姦じゃねえか。
服を着替えさせて寝室を出る。
(…情けねえや)
腹が立った。
たかが着替えなのに、オレのペ〇スが反応していることに。
──人はね、簡単に変われるモノじゃないの。
(まったく、その通りだよ。オレは、今でも姉を愛する異常性癖者なんだ)
3年前の夜。あの日で全てを断ち切るつもりだった。
なのに、今も、想いは消えるどころかさらに大きさを増している。
(女々しい男だ…)
オレは、グラスにウイスキーを注ぐと一気に飲み干した。
(なんで、実の姉を愛しちまったんだ…)
ウイスキーの瓶が、みるみる減っていく。なのに酔いは回らない。
(時間は巻き戻らない…前に進むだけだ…)
オレは、いつの間にか寝っていた。
「…や」
誰かが、呼んでいる。
「和哉ァーーッ!」
あれは…
「和哉ッ!起きてる」
現れたのは、ランドセル姿の亜紀。
「お姉ちゃん、お帰り」
寝間着姿で布団に寝ているオレ。とすれば、ここは実家の奥の間だ。
あの頃、オレはひどい喘息が原因で学校も休みがちだった。
「今日はね、クラスの友達を連れて来たよ!」
亜紀の後ろから、3人の女の子がこちらを窺っている。