告白リベンジマッチ-4
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――吾妻 創史は、告白前よりさらに悶々としていた。
自分としてはかなり勇気を振り絞って告白した結果がアレである。
まだキッパリと拒否するなりしてくれれば、落ち込む事もできるのだが……。
「『分からない』って……。お前の方がワケ分かんねーっつの……」
さっきの場所に一人座り込みながら、ため息と共にそんな事をつぶやいてみたり。
(あれは……断られたのか?)
少なくともOKではなかったのは分かる。
だがあれがもし断られたのではなく、水澄がいきなりの告白にパニックに陥って暴走しただけだったとしたら……。
(――大いに有りうる)
水澄はそういう奴である。
でもだからといって、さっき告白したばかりのやつにどんな顔でもう一回問い質せばいいんだ?
っていうか……もしアレが断ったつもりだったとしたら、もう一回聞きに行くとかめっちゃ未練たらしい感じじゃねえの?
「あー…もう、わっかんねぇ……」
「なぁなぁ。さっきから何ブツクサ一人で呟いてんだ?」
「うおわぁ!?」
いきなり掛けられた声に、俺は本当に数センチ飛び上がった。
「……あ?なんだ三バカかよ」
「「「誰が三バカだ誰が」」」
ハモった。
いつの間にか俺のいた屋上へ続く階段の踊り場には狭と、アイツといつもつるんでる二人――沖田 春風と深峰 安良が立っていた。
その中の一人、安良が嫌っそうな顔で狭を指差して、
「おい吾妻。俺がバカなのはまぁ潔く認めてやるが、こいつと一くくりにすんじゃねーよ」
「そうだぞ吾妻。安良がバカなのは俺も潔く認めるが、コイツと一緒にしないでくれ」
「んだと狭テメェ!」
「なんだよ、同じ事言っただけじゃんよー」
「自分で言うのとテメェに言われるのじゃ腹の立ち方が違ぇんだよ!」
やいやい騒ぐバカ二人をよそに、沖田が俺に話し掛けてきた。
「それで、なんで吾妻はこんなとこにいるのさ?」
「ん?……まぁ、なんつーか……いろいろあんだよ」
「そっか。恋愛関係って難しそうだもんね」
「エスパーかお前!?」
なんでド直球でその話題にたどり着くんだよ!
「いや、実は……僕達がここに来たの理由が――」
水澄さんが真っ赤な顔で階段をあうあう言いながら駆け降りて来たのを見た
↓
気になったから階段を昇ってみた
↓
吾妻が座ってた
「――っていう感じだったからさ」
「よく分かる説明をどうも……」
ガチでパニクってんじゃねーか水澄よ。