告白リベンジマッチ-2
「な、ななななんで吾妻がででで出てくんのよ……!」
「ん?ビンゴ?告白でもされたとか?」
「うひゃわおぅっっ!!??」
エスパー!?
灯ってもしかしてエスパー!?
「そんな事を思ってしまうくらい、灯はこちらを見透かしたような発言をしたのであった……!」
「落ち着きなさい小羽。動揺し過ぎてモノローグと台詞が逆になってるわよ」
「え?あ、ホントだ!?」
「それにしても……ついに告白されたか。それで?なんて返事したの?」
実に楽しそうに灯は聞いてくる……んだけど。
「…………えと、……てなぃ」
「は?なんて?」
「あの、その……返事、してない」
「……は?どゆこと?」
疑問符を浮かべる真白に、私はとりあえず今さっき起きた事を説明する事にした。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「――馬っっっっっ鹿じゃないのアンタ?」
返って来た返事はこれだった。
昼休み中のクラスの皆が何事かとこちらを向く。
「あ、気にしないで気にしないで何でもないから!」
慌てて皆に戻るように伝え、どうやら思いっきり呆れているらしい灯の方へ向き直る。
「ば……馬鹿じゃないもん」
「馬鹿よ。ないもん、とか可愛く言ってもダメ」
うぅ……灯がいじめる。
「じゃあ何?あんた、せっかく告白してきた吾妻に肯定も否定も保留もせずに『わかんない』だけ言ってきたワケ?」
「いや……まぁ……」
「返事は『ハイ』か『Yes』になさい」
「……Yes…」
否定させる気ないじゃん!
いや、事実だから否定しようもないんだけど……。
「でも、でもさ」
「なによ?」
「……ホントに、分からないのよぅ。好きとか、恋人になるとか……知らないから、分かんないんだもん」
恥ずかしい話……私、水澄 小羽は今までの16年間、異性と付き合った経験というものがない。
というか、人の恋愛話でわいわい騒ぐ事はあっても、自分が誰かを好きになったりっていう事をほとんど意識した事がなかったのだ。
お子様だった、って言われればそうなのかもしれないけど。
「――で、そんな経験値0の状態で告白されたもんだから、ワケ分からなくなって逃げてきた……と」
「えと……まぁ、そんな感じかな?」
「お子様ね」
「うっ」
実際に言われた!
け、結構傷つく……。