告白リベンジマッチ-10
「えーっと、結局昼休みには聞けなかったんだが……何が分からないんだ?」
「……笑わない?」
「笑わねぇよ」
「……えっとね」
ようやく私は、ずっと疑問に思っていたことを口にした。
「……吾妻は、………て……と………ったの?」
「へ?ちょっと待てよく聞こえない――」
「吾妻は!」
「うぉっ!?」
いろんな感情がごちゃごちゃになって消え入りそうな自分の声。
だけど、もうこれ以上迷っている訳にはいかないから。
「吾妻は――どうして、どうして私を好きになったの?私のどこを好きになってくれたの?」
「水澄……」
面食らう吾妻に構わず、私は自分の想いをぶちまけていく。
「だって分かんないんだもん!吾妻が仲良い子で私なんかより可愛い子はいっぱいいるし、頭がいい子だって、話が面白い子だって、運動できる子だって、おしとやかな子だって、その……む、胸が大きい、子だって……いっぱいいるじゃん!」
吾妻はイイやつだ。
だからこそ、こいつには男女問わず仲のいい子はいっぱいいるし、私より可愛い子もいっぱいいる。
分かってる。これは、せっかく私を好きって言ってくれている吾妻を困らせる事にしかならないことくらい。
でも、それでもこれが今の私の気持ち。
吾妻は困ったように頭をかいていたが、
「……ま、たしかに水澄は学校一の美人ってわけじゃないな」
「うぐっ」
自分で言っておきながら、実際に吾妻の口から聞いたらダメージを喰らう私。
「成績に関しちゃあ俺とどっこいどっこいだし」
「あぅ」
「間違ってもおしとやかなんかじゃあないし」
「えぅ」
散々な言われようだが、否定できないのが辛い。
「胸の大きさに関しては……まぁ、ノーコメントだけど」
「む、胸はまだ成長する………可能性があるもん!」
「勝負事になるとすぐ熱くなって」
「む……」
「いろんな事に一生懸命で、失敗してもめげなくて」
「……?」
「いつだって周りの事を大事に思ってやれてて、たまに空回りするけど、それでも楽しそうに笑ってて――」
「他の誰でもない。そんな水澄の事を、俺は好きになったんだ」
聞こえた言葉を理解するまでに数秒。
心臓が、跳ねる。
私は、間違いなく耳まで完全に真っ赤になった。
「――え、ちょっ、えっ?」
「俺だって、今までろくに恋とか、そういうの……したことねぇし。こういう気持ちになったのなんて初めてだからよく分かんねぇけど――」
吾妻は、同じく赤くなった顔で真っすぐこちらを見ながら、言う。