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とある街のとあるモノガタリ
【純愛 恋愛小説】

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再会-2

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 病室から出てきた慎悟から、告げられる。



「灰稀くん。アキをよろしく頼むね。僕らはそろそろ帰るから。あ、これ、アキの新しい服と鞄。渡してあげて」



 差し出された紙袋といつも使っている鞄を受け取り、カイキは『すみません』と頭を下げた。



「キミが気にすることないよ。あの娘の怪我はキミのせいじゃない。あの娘を使った僕の責だから」



 慎悟は苦笑し、周りの黒服と一緒にきびすを返し、静かに廊下を歩いていく。それを見送ると、病室のドアをノックした。



――――

―――

――





「カイキくん……」



 ドアを開けるなり、明希は目を細めて笑みを浮かべた。



 ギプスを宛がわれた左腕とこめかみや頬にある赤い傷痕が痛々しくて、直視出来なくなる。そんな姿の明希がゆっくりと自分に向かって寄ってくることに身を固めた。



「怪我、してない?」



 泣きそうな顔で明希はカイキの頬に触れる。その手があまりにも温かく、心地好いもので、カイキも自ずと手を重ねた。



「…………大丈夫」

「良かった」



 そんな些細なことを気にしていたのかと、カイキは呆れそうになる。それだけの怪我をして、クスリで辛い思いもした筈なのに、何でそんなことを今、口にするのか……解らないでいた。



「明希」



 そう口にすると、彼女の手は小さく揺れる。




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