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初詣
【OL/お姉さん 官能小説】

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初詣-1

親友の沙耶と結託した。
今年は初詣にでかけてみようかと…

ただ初詣に出掛けるわけではなく、二人して振り袖を着て出かけるというのだ。

振り袖…もちろん持ってないし、私たち二人とも自分で着付けができるわけもない。
そこで好色女の沙耶はお正月早々から振り袖の裾を乱してみたいというのだ。

それより何より私たちにもまだ確かに振り袖を着る資格はあるつもりだけど、今年で二人して二十八にもなる女が着ていいものだろうかどうだろうか?

「やっぱ普通の服でいいじゃん、着崩れしたら面倒だし振り袖なんて買う事思えばバリ島だって行けるわよ。」

「ダメよ。旅行なんて年をとってからでも行けるし、バリ島は逃げないわよ。
それより振り袖着るなんて…私たち二十代最後になるかも知れないのよ。」

沙耶は断固としてそう主張した。

確かにバリ島も香港も逃げない。
それに二十代も残すところ後二年…
沙耶曰わく、二十九は二十代じゃないそうだ。

そんな事をグズグズ言いながらもリサイクルで買うと、着物なんてあり得ないほど安いけど着付けは別にしなければならない。
それに気に入った柄も見当たらなかったし、レンタルの一番安いコースなら着付けもついて同じぐらいの値段だった。

二十歳そこそこの娘ならそのぐらいの出費も価値があるのだろうけど、二十代も終盤に差し掛かると何とも馬鹿馬鹿しくてしょうがない。

「何言ってんのよ、今更…
今しかできないから価値があるんじゃない。」

結局、いつも通り沙耶のペースで目一杯若造りして出掛けている私がいた。

… … … …

全国的に訪れたというひどい寒波の中、油断したら鼻水がたれてしまう気候だけど快晴には違いなかった。

それにしても神社のこの人いきれときたら、たしかに化け物が二人ぐらい混ざってても分からないほど思った以上の混雑ぶりだった。

何で私が今年もこんな事に付き合わされているんだろう?
と新年早々つくづく思うけど、さて…

お詣りも済ませたし、この後どうするんだろう?
成人式なんかでもそうだけど、女の子の振袖姿は風物詩だけど最近では紋付き袴というのか和服姿の若い男の子も多く見られる。

でもこうして見ると、どいつもバカボンにしか見えないのは私だけの感覚なんだろうか?

若造りしてお正月早々、振袖の裾を乱してみたいという沙耶の意見にはたしかに胸踊るものはあるけれど、どこか現実として捉えきれない私。

「ねえ、何をお願いしたのよ?」

隣で同じく手を合わす沙耶に尋ねてみる。

「ひ・み・つ…あんた、なにお願いしたの?
まさか今年ぐらい結婚できますようにとか?…」

「違うわよ。
あんたこそ、いい男が捕まりますようになんてお願いしたんじゃないの?」

当たらずとも遠からじ…ここまでして結局、女二人酔っ払って帰ったんじゃお正月早々ほんとにバカじゃない。
だけど、それが故に同級生の親友同士、今でも仲良くこんな事をしてなきゃいけない羽目になっているのだ。


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