私のお父さん-7
「大丈夫?お姉ちゃん!」
肩を掴む怜の手が、やけに心強く感じた。
(・・・そうだ・・・私には、支えてくれる家族がいる・・・)
今まで全部自分だけが辛いと思っていた。
言いたいことは全て自分の胸に閉まって、誰にも打ち明けなかった。
もしかしたらもう、妹と父親の間に出来た壁は壊す事が出来ないかもしれない・・・
そう思っていたあの頃が、遠い昔の様だった。
「・・・怜・・・好きだよ」
「うえぇい?!なななに?!わっ私、そっちのケは無いよ?!エッチするのは嫌いじゃないけど・・・」
家族が仲睦まじく暮らしていくのは、簡単じゃない。
でも、お互いが歩み寄ろうと手を伸ばせば・・・
壁は、崩せるのかもしれない−
「小夜・・・」
銀太郎の胸に頬を寄せて、大きなお腹に触れる。
「私も!」
隣で自分の真似をし、頬を銀太郎の胸につけて、嬉しそうに笑う怜。
銀太郎の鼓動と、怜の鼓動が、自分のそれと重なっていく気がした。
私には、家族がいる。
怜・・・
・・・お父さん・・・
〜〜〜完〜〜〜