『ビコーズ』-3 3 『NICKNAME』 わたしを呼ぶ声が聞こえる 誰もいない廊下 午後七時 振り向かなくても判ってる わたしをそんなふうに呼ぶのは あなただけだから まつげにあなたの言葉をのせて 唇の降りてくるのを待つ あたたかな吐息 その吐息がいつか わたしの望むものを 運んでくれますように いつかあなたがわたしを わたしの名前を 呼んでくれますように