聖夜(その2)-6
「今夜は、きっとすばらしい光を見ることができそうですよ…いや…わたしは、ずっとあの青い
光に彩られた聖夜の空をずっと楽しみにしていました…
…あなたは、この澄んだ硝子のような夜空に、一瞬でも無限に満たされた愛を感じませんか…
あなた自身が、あなたの心とあなたの中にあるすべてを赦せばいいのです…あなた自身が、すべ
てを受け入れ、あなた自身が求める眩しいほどの愛の悦びを得るために、もう一度、その心を
この夜空に解き放ったらいかがですか…」
今夜は、聖夜なのだ…。
夜空に散りばめられた星屑…そして、その光に染められた湖畔のまわりは、降り積もったばかり
の瑞々しい雪で覆われた銀世界がひろがっている。
突然、青白い光が夜空に揺らめく…。
そして緑や紫の幻想的な閃光の帯びが、天空の彼方から湧き上がるように夜空に煌めき、次から
次へと重なるような光の神秘的なハーモニーが始まる。夜空に散りばめられた宝石のような星を
縫うように、様々な光がベールのように揺らめき、天を美しく彩り始める。
それは、私が初めて見たオーロラだった。
… 聖夜 … それは、すべてがゆるされる、時(とき)の始まり…。