愛から生まれる悲劇-2
「は、はずかしいなぁ・・・」
僕が不自然な笑みを浮かべて必死に繕うと、彼女は僕の手をとり教室へと強引につれてこられてしまった。
「見て見て見て!!!!ちょー可愛くない?」
「きゃぁー!桐生君?ちょーー可愛いんですけどー!」
女子達が一斉に僕に群がって教室が一気に騒がしくなった。
まるでファンに囲まれたアイドルのような気分だ。
恥ずかしいなぁ
ばれてないかなぁ
僕がいつもこんな格好してるの
女子達が大騒ぎしているのを男子達も遠巻きに見ているが、その視線の方が僕には痛く熱く突き刺さってきてしまう。
「騒がしいなー。作業進んでるのかー?」
「見て見て伊崎っち!可愛くない?」
「お前、桐生か?おおお。似合ってるよ」
伊崎の褒め言葉には違う意味が含まれているのがわかる。
にやにやと口を歪める伊崎の表情に僕は犯される。
「あ!相良先生!見てくださいよー」
蒼介は僕の姿を見つけて目を細めて微笑む。
「桐生。よく似合ってるじゃないか」
ああ
僕が快感の渦に飲まれそうになっているのがばれてしまう
蒼介は僕を上から下まで舐めるように見ている。
僕はその視線の中に冷酷な言葉を読み取る。
その服の下には
いやらしい部分にピアスを付けた実沙希の体が
たくさんの人の視線に犯されて
熱く火照っているんだろ?
ペニスは濡れてしまっているんじゃないか?
アナルもヒクヒク動いてペニスを欲しがっているんだろ
変態だな
実沙希は
僕はいてもたってもいられなくなり、逃げるように教室を出た。
顔は真っ赤だっただろうな。
廊下を物凄い勢いで走りに抜ける時、すれ違った信人の驚いた顔に僕は全く気付かなかった。