誕生日プレゼント-11
ぶち
そんな音は実際していないのだが、硬い皮膚を針が抜けた瞬間はこんな感じだった。
蒼介は手早くリングに付け替えてくれてようやく緊張が解け、ピアスを見るがなんと自分の下半身が血まみれになっていて目の前がクラクラした。
凄い血
大丈夫なのかな・・・
僕はおろおろと真っ赤に染まるペニスと手当てをする蒼介を交互に見ると、蒼介は優しく説明してくれたがあんまり耳に入ってこなかった。
だんだんと痛みも増してきて少し体がだるくなってくる。
でも何度かガーゼのようなものを取り替えているうちに、気持ちも落ち着いてきてペニスに付いたリングが目に入ってくると急に自分の体がいやらしく見えてきた。
ピアスがついてる・・・
こんなところに
あああ
もうこれで友達ともお風呂に入れないな
蒼介さんにつけてもらったピアス
蒼介さんのためだけの
僕の体
痛みと同時にじんわりと下半身が熱くなってきてしまった。
隣に座った蒼介にもたれかかると優しくキスをしてくれた。
それから約二週間ほどでピアスが安定するともう引っ張っても服が擦れても痛くなくなった。
ただ排尿が少し難しくなって、蒼介が言っていたとおりトイレは個室で座ってするようになった。
こんな体にさせられて
あああ
また大きくなってきちゃった・・・
新たな戒めが自分を苦しめる。
この体をクラスメートが見たら何て言うだろうか。
変態
汚い
いやらしい
恥ずかしい
「んっ・・・ふぅ・・・・」
僕を嘲る言葉が次々と浮かんで勝手に体が反応してしまう。
僕は自分の体をぎゅっと抱えて息を整えてトイレを出ると、すれ違った信人とぶつかってしまった。
「あ、ごめん」
「おう。実沙希か。どした?顔が赤いよ?」
「な、なんでもないよ」
うっすらと額に汗をかいて顔を紅潮させている僕を不思議そうに見てくる。
「お前熱あんじゃねーの?」
信人は自分のおでこを僕にくっつけた。
少し色素の薄い茶色い瞳が心配そうに僕を見てくる。
破滅の歯車が大きく軋んで動き出した瞬間だった。
※この話はフィクションです。セルフピアッシングはとても危険な行為ですので真似しないでください。