新しい始まり-7
Side/S
重たい扉に実沙希の顔を押し付けてガンガン腰を使っているとだんだん嫌な気分になってきた。
いつもの甘い声の中に時々、突き刺さるような悲痛な叫びが聞こえるからだろう。
ああ
実沙希が壊れる
壊してやりたい
だめだ
これ以上やったら
本当に壊れる
でも
その顔が見たい
僕は欲望に負けて無我夢中で実沙希を追い詰めた。
事が終わると座り込んで泣きじゃくる実沙希を見て、激しく後悔する自分に戸惑った。
今までも関係を持った相手に対して同じように、精神的に時には自殺寸前まで追い立てても、全く可哀相だとか申し訳ないなんて思うことはなかった。
もう僕には実沙希しかいないんだ
僕は謝罪の意味を込めて頭の先から足の先まで全身に口付けの雨を降らせると、それに応えるようにきつく実沙希が抱きついてきた。
その顔は先ほどのこわばった冷たいものではなく、穏やかだけどいつもより少し大人びて見えた。
「実沙希、愛してるよ」