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襖の向こう
【父娘相姦 官能小説】

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父と妹の想い-2

「小夜は・・・・・・似てる、驚くくらい似てるよ。まるで、今もお前が傍にいるみたいだ」

銀太郎が言う通り、小夜の顔は亡き朝美にとても良く似ていた。
娘だと分かっているつもりなのに、意識しないで顔を見ると妻の名前を呼んでしまいそうになる。

単に顔立ちだけでなく、佇まいまでよく似ているのだ。ちょっとした時の仕草や息遣い、果ては癖までそっくりだった。

唯一の違いは、豊かな体つきは妹の方が受け継いだ事と、物言いが朝美よりきつい事だけだった。

しかし、そのきつさも元はといえば自分がしっかりしていないのが原因だろう。
仕事柄常に家にいるが、郵便受けも見ない、風呂も沸かさない、小夜にしてみれば父親はただ居るだけだったに違いないのだ。

「最近じゃ話す時に目もあわせてくれないよ。なあ、朝美、俺はどうしたらいいんだ」

・・・問い掛けたって、まさか妻が答えてくれるわけがない。どうにか出来るのは、今此処に生きている自分しかいない。
それを分かっていても銀太郎は縋ってしまうのだった。

「小夜にお前を重ねてしまうんだよ・・・本当に驚くくらいそっくりだ、是非一度見せたい」

ただの言い訳だと分かっていながら、だから仕方ないと思っている部分もあった。
最近は話す時にまともに目を見る事も出来ず、小夜に素っ気ない態度を取ってしまう。
それは、まだ朝美が生きていた頃にそうしていたのとまったく同じだった。

自分の担当として交流を深めていくうちに気になる存在になり、やがては結婚までしたのに・・・
何故うまく話せないのか、銀太郎は自分自身が理解出来なかった。

しかし、そんな銀太郎に、朝美はいつも明るく接してくれた。
言葉が足りず相手を誤解させてばかりだったのに、優しい態度を全然崩そうとしなかった。
銀太郎にとっては名前の如く眩しいくらいに輝いて、暗い顔など見せなかったのだった。


「・・・朝美・・・」


写真の中で笑う妻が滲んで見える。
まだ亡くしたばかりの頃とは違って涙は流さなくなったが、瞳を濡らしてしまうとは、と銀太郎は切なくなった。
怜にも、小夜にも見せた事の無い顔で、一人アルバムを見つめていた−



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