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悔し涙が身に染みる……。
【レイプ 官能小説】

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悔し涙が身に染みる……。-3

「キス……はまだ早いな。そうだな、ほっぺをくっつけるくらいかな? 抱き合って……」
「え〜!!」
 佐奈は驚いた様子で叫ぶ。一方の悠馬は役得にぐっとこぶしを握って聡にアピールする。
 一年女子の可愛い子。小さくて幼い雰囲気がある彼女は、スタイルこそ平坦だが、笑うとえくぼが出来る頬と上半月の瞳と相成って女の子らしい女の子であった。
 今日は短めのプリーツスカートにブラウス、うすでのカーディガンを羽織っているが、それは見ようによっては高校生、場合によっては中学……。
「そんな、困りますよ。私、だって……」
 佐奈はちらりと一年の下倉栄治を見る。彼もまたおろおろした様子でいるが、それは二人がただならぬ仲であることが原因。
 二人は今年大学に入ってから夏休みを経て付き合うことになった。それは言葉には出されなくとも、その雰囲気で知れ渡っている。
 問題は、彼氏彼女の二人がこの局面をどう対処するのか? その一点に尽きる。
「えと、どうしよう……」
「ごめん、あと少しだから……」
 事態に気付き始めた志保だが、幸一は目の前のジョッキとにらめっこしていてそれどころではない。ようやく半分を過ぎたところで、炭酸も抜け始めてでペースが上がってきているところでもあった。
「ねぇ、もうすぐ飲み放題の時間来るし、そろそろお開きに……」
 年下カップルを案じてか、志保は幹事である坂下達郎の袖を引っ張る。
「うん? ああ、けど……、王様乗り気だし……」
「おらおら、さっさと抱き合ってほっぺたあわせろよ。別にちゅーしろってんじゃないんだし、それぐらい平気だろ?」
 和志は枝豆をつまみながら悠馬の尻を蹴る。
「王様もそう言ってるわけだし、ほら佐奈ちゃんも覚悟決めて!」
 彼もまた彼女が栄治とどういう関係なのかを知っているわけだが、この役得を前にして理性にお暇してもらっている様子。
 一方、栄治はというと手近にあったグラスを煽るように飲み干し、さらに他人のグラスにまで手を伸ばし始める。いわゆる自棄酒なのだろう。
「ん、はい……わかりました……」
 佐奈は彼氏が腹をくくったことを知り、やや視線を落として頷く。
「それじゃ、ごめんね、佐奈ちゃん……」
 謝るのならもう一人居るのだが、それを口にしてしまえばゲームがうやむやになりかねない。あくまでもサークルの面子同士でのお遊びに留める必要がある。
「んっ……」
 背の低い佐奈は悠馬の胸にそっと寄りかかる。背伸びをするのだが、彼女の背丈では彼の頬にたどり着けない。
「先輩、しゃがんで……」
「や〜だ」
「そんな、それじゃ出来ないじゃないですか!」
 ぷんすかとご立腹な佐奈だが、周りは「かわいい!」と嬌声を上げる。
 一部女子はそれを非難交じりの視線で見つめるが、そこらへんはご愛嬌。
「そんっじゃ……」
「きゃぅ」
 悠馬は彼女の身体をひょいと持ち上げると、そのまま頬を摺り寄せる。
「やだ、先輩お酒臭いです〜」
 嫌がるように顔を捩る彼女だが、悠馬のそれからは逃れることができそうにない。
 栄治はさらにグラスに手を伸ばすが、それはカクテル用のスピリタス。ぐっと煽ったが最後、彼は目を回してテーブルにダウンする。
「ちょ、大丈夫?」
 それを見ていた志保は驚いて栄治に駆け寄るが、彼はそれをうるさそうに手で払いのける。
「大丈夫っす! 平気ですからほっといてください!」
 ぶんぶんと腕を振る彼だが、その手が不意に彼女の胸元に当たり……。
「きゃっ!」
 柔らかな感触に栄治の手がぐっとそれを握る。
「んっ……」
 突然乳房をもまれたことに戸惑う志保。だが、そこには痛みだけではなく、身体をジクっと痺れさせる痛みが伴った。
 目の前ではスキンシップをやや超えた行為が繰り広げられており、番号さえ間違えれば自分もまた誰か、特に彼氏ではない男子とも抱き合い、頬を寄せ合うのかもしれないと思うと、心穏やかではいられない。
 特に聡のアレはしっかりと……。


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