悔し涙が身に染みる……。-15
「ほら、二人ともオチンチン出さないと。ルール違反だよ?」
仕方なしに陰茎を露出させる達郎だが、栄治はしまったまま、動こうとしない。
「あールール違反!」
奈々子がそう言うが、栄治はぎろりと睨みつけるだけ。
「んもう、わがままちゃんねぇ……。しゃーない。栄治君はお酒でダウンってことで、次に進みましょうね〜」
そう言って宏美にマイクを向ける忍。
「え? あ、そっか。私の番か……。それじゃあ……」
彼女は事態に気付き、和志に浅く腰掛けなおす。
「そうだ……、あのさ、さっき店員さんに間違ってパンティもって行かれたじゃない? あれさ、取り返してきて欲しいんだけど……いいかな?」
「あはは、そうだね。いいんじゃない? じゃあ志保ちゃんにする? それとも奈々子? 佐奈ちゃん?」
「え? なんで女子限定なんです?」
「だって、女の子のショーツを取り返しに行くのが男の子じゃ変でしょ?」
ある意味説得力のある言葉に皆くるしくも頷く。
「それじゃあ、佐奈ちゃん、お願いできるかな?」
宏美は彼女を指名したが、そこには栄治が彼女を睨んでいることが一番の原因。二人の関係を知る彼女としては、この重苦しい雰囲気をナントカして打破したくあったわけだ。
「はい、わかりました」
それを汲んだらしく、佐奈はすっと立ち上がり、部屋を出る。
残されたのはベトベトになった聡の陰茎だが、果たして?
**
「次は達郎君だね。何がいい?」
「えと、俺は……」
幹事としては無難な選択がしたい。自分のいない間にどれだけのことがあったのかは、部屋に入った時点でわかる。そして、幸一に腰掛ける奈々子の不自然な体勢、腰を動かすたびにつらそうな表情をするところから明らかだった。
――二人とも、してるな……。
そう考えた達郎は、このまま射精されては大変と知る。
「じゃあ、奈々子ちゃんに俺の膝に座ってもらおうかな……なんちゃって……」
「や、やだ〜、はぁん……先輩のえっち〜」
いつものように身を捩らせる奈々子だが、そこには艶かしい声が混じり、背後からは「うぅ」と苦しそうな、嬉しそうな声がする。
「じゃ……立ちますね……よいしょっと……んっ……はぁ……」
ぬるっと音がしそうなほどだったが、彼女は立ち上がると、そのまま達郎の膝に腰かける。彼女はまるで新たな獲物を求めるかのように腰を突き出してきたが、彼もまたそれに乗るまいとひざの浅いところに腰を下ろさせる。
「じゃあ、奈々子ちゃんの代わりに志保ちゃんが幸一君の膝の上だね」
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「え!?」
それに驚きの声を上げたのは幸一本人。彼としては嬉しいことではあるが、先ほどまで奈々子とゆるい結合をしており、ゆっくりと確かに昂ぶっている射精感がある。
もし片思いの彼女と身体をあわせたらどうなるだろうか? 今のこの高揚した気持ちでは直ぐに射精してしまいそうで、それは手にカウパー腺液を垂らすことの比ではない。
「ああ、俺も酔ってきたかな〜。なんか無理そうだし、参加できないかも……」
栄治と同じくソファに身体を投げ出し、チャックを閉める幸一。
「だ〜め!」
しかし、それを見越してなのか、忍がぴょんと飛び込んできて、ズボンにしまわれつつあるそれを引っ張ろうと手を伸ばす。
「や、止めてくださいよ……」
情けなく腰を引かせながらの抗議する幸一。
「うふふ、逃がさないんだから……」
手が彼のモノに触れ、ぬらぬらした亀頭を前後左右に弄られてしまい……。
「や、止めて……うっ……くだ……さい……」
瞬間、幸一の腰が引け、びくっと頭を揺らすのが見えた。