悔し涙が身に染みる……。-13
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誰かの声が聞こえた。
そこまではわかっている。
それが何によるものか?
宏美にはたいした問題ではない。
今こうして和志にされていることと比べれば……。
和志の手がパーカーの内側に入ってきた。そして直接胸を揉んで来ている。
最初、ぞわっとした。気持ち悪い。まるで痴漢をされているよう。
むしろ悲鳴を上げてしまいたい。命令なんて守る理由も無い。
だが、耳元でそっとささやかれた。
「おっぱい大きいね」
彼女にのみ聞こえたであろう声。耳に直接息を当てられてのことに、彼女は違う意味で背筋を振るわせた。
そっと耳たぶを噛まれた。そのまま甘い声を出しそうになったのを、唇を噛んで堪えた。
その間も和志は遠慮なく胸を弄ってくる。
勃起した乳首を指で優しく挟まれ、転がされる。
「んはぅ……」
声を押し殺そうにも、快感に変わった感覚に勝てず、甘いと息を漏らす。
「感じちゃった?」
再び耳もとで囁かれると、宏美は彼の逸物の先っぽを摘むことで応える。
「そう……」
和志は宏美きゅっと抱きしめ、肩口にキスをしてきた……。
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暗闇で声がした。
男の声と女の声。近くからだったような、遠くからだったような……。
そこに意識を集中させようとするのは、佐奈なりの抵抗。
もし意識してしまえば、それは後戻りできそうにないような気がしたから。
今、彼女が必死に目を逸らそうとしているのは、聡の陰茎。
無理やり握らされているそれは、恋人のそれよりも大きく、黒く、皮の剥けた雄雄しいモノ。
先ほど達郎と幸一と三人で並んだ彼の逸物。二人と比べても小さく、先っぽからたらたらと我慢汁を零す様は情けないの一言。醜く薄汚れた皮に守られた包茎のソレは、自分の物でないにせよ、恥ずかしかった。
――おっきい……。
今、こうして彼氏以外の男のそれを握らされているとき、感想は背徳感のない素直なものだった。
彼女は処女だった。だが、たまに女友達と情報を交換するにあたって太さ、長さに加え、皮についてもいろいろ聞いていた。性知識についてはある程度、快楽方面について仕入れているのだ。
聞いた程度だが、皮を被っているのは雑菌がたまりやすく、不衛生。早漏になりやすく、入れられたとき、だぶつく皮が気持ち悪いといわれた。
見た目と同じく純粋なところが残る彼女はそれを真正面から信じており、初の彼氏である栄治が包茎であったことがショックだった。
そして、一方で聡のモノ。
太くてたくましく、それほど長いわけではないが、しっかりと亀頭が露出したそれはだぶつく皮もない。
これこそいわゆる大人の陰茎なのだろうと思い至った佐奈は、手の中のそれに意識を集中していた。
熱く、たまにびくっと跳ねるそれ。
これを自分の性器に入れるのは、どんな感触だろう。
セックスこそ知らないものの、自慰の経験はある彼女。元バスケ部であったせいか、処女膜は日々の運動で破れているせいか、指が三本くらいなんなく入る。
最近は控えているが、それが裏目というか、聡のそれに興味が募る。
すると……。
「いしょっと……」
わき腹から腕を回され、そのまま身体を持ち上げられる。そして不意に大切な部分を弄られる。
「え!」
声を上げてしまい、慌てて口を覆う。だが、彼がしようとすることには当然気付いており、どうしてよいかわからず右や左を見る。
暗がりの中、男の膝の上に座る女子達。かすかに見えたのは、幸一の膝の上で前後する同期生。