コントロール-2
「おはよー。どーした?すごい汗だけど」
「遅刻しそうだったからチャリ飛ばしてきた」
わざとらしく手で顔を仰ぐしぐさをする。
荒い息遣いも本当は全く違う所から来るものだ。
予鈴がなって担任が入ってくるとバタバタと自分の席に戻って騒がしかった教室が静かになった。
「出席取るぞー。阿川、青井、青島、飯塚・・・」
名前を呼ばれ元気な声やまだ眠そうな声が次々と発せられる。
カ行に入ってもうすぐ自分の名前が呼ばれると心の準備をしている時だった。
ブーンブーンブーン・・・・
静かな教室にかすかなバイブ音が響いた。
それは僕のお尻から聞こえてきていた。
蒼介から着信が入り、連動してお尻に埋まっているバイブが動き出したのだ。
「っ!!!んっ!!!!!ぁ!!」
僕は突然の激しい刺激に思わず声を上げそうになって必死に押し殺した。
「おい誰だ携帯。授業始まるまでに切っとけよー」
しばらくするとバイブ音が消えて再び点呼が始まった。
「桐生。・・・あれ?桐生は休みか?」
「うっ・・はっ・・・はぃ・・・・・」
すぐにバイブは止まったが、まだ余韻はジンジンとお尻に残っていて返事をするのもやっとだった。
こんな風に突然動き出すんだ・・・
さっきみたいに気を抜いてると声が出そうになる。
それに今はすぐに止まったけど、ずっと動いているともしかしたら射精してしまうかもしれない。
そんな拷問のような時間を耐えられるのだろうか。
まだ始まったばかりなのにもうグッタリとしてしまっていた。