最終回『真実のアイはいつもひとつ。』-5
「まぁちゃん。・・おまっ、もしかして、」
訊くのは一瞬の恥。訊かぬは一生の・・・不覚!
「しゅーちゃん、だいすき。」
まぁがそう言ってすごーく嬉しそうに抱きついてきた。
たから、俺も素直に言ってやる・・・
「俺もすっげー好き。」
―― ああ、わかった。もー、完全に降参。
俺はカンペキにまりあにハメられた。
物語は落ちるべくして落ちる場所に転がっていくものなのだ。(―― さすが、・・・。展開はぇーよ・・。)
「あの時ね、引っ越しちゃう日にね、しゅーちゃんから卒業しよーって決めたのに・・、でもムリだったの。」
・・・だから、まりあは華麗に舞い戻ってきた。
「絶対にね、今のあたしなら大丈夫だって、昔みたく遊んでくれると思っていたのに、しゅーちゃん全然なびいてくれないし、全然手ぇ出してこないし。・・やっぱりあたしが変わりすぎちゃったのかなって、ちょっと不安だったんだよ」
「そーだ、おまえ、変わりすぎで、」
・・すっげー遠い存在になっちまった。つーか別の世界のもんになってしまったみたいに感じたからで、
「しゅーちゃんはあんまり変わってなくてよかったよ。
・・・しゅーちゃんって、カラダだけおっきくなっちゃったんだね」
「心もちゃんと育ってるで?」
「あたしもきっとそうだよ。」
俺の方に手を伸ばして、抱きついてくる。
「だからね、あたし、賭けをしてみることにしたの。これでダメだったらあきらめようって・・・」
「っておま、あんなん最初っから反則やん・・」
それは『賭け』というよりただの『ドロ罠』で・・、しかし、俺はそこにしっかりハマりきってしまったわけで・・・・
「しゅーちゃん、あんまりヘタレさんやから、ここはまぁが昔みたいにお膳立てしとあげないとって、頑張ったんだよ〜」
「って、おまえ。それであんなこと! 俺はまた、どこのやっすいAVか思ったわ!」
「ぶー! だって、いきなり・・は、もったいなかったんだもん・・・」
だもん、て・・・。
「もっとちがうもん、惜しみなさいっ。あほっ!」
「なによー、しゅーちゃんのクセにえらそーにっ! 生意気ー! あたしの方がおねーさんなのにぃー」
「って、三日だけやろうっ!」
ため息出るわ、ほんま・・
そして情けないなぁ、こんな・・トーク。
でも、コレが俺たちらしさなのかもしれないな・・・。