最終回『真実のアイはいつもひとつ。』-3
―― これじゃまるでケモノやな、俺。 パブロフの犬? ってかサル?
サルにオナニー教えると、死ぬまでやっちゃうなんていうしな・・・。
美味しそうなエサに釣られて、あとは条件反射の暴走列車。
こっちだって五体満足、性欲旺盛、精力絶倫・・とまではいかなくても人並みの、ヤリたい盛りのお年頃。
「どうぞ召し上がれ」なんて甘い声で囁かれれば、躊躇なんてしてらんねぇ。
間抜けな獲物はガッつかれ、俺はそれを心ゆくまで味わい尽くすのみだ。
―― しかし、ここにきてまともに考えてみたら俺、あいつのことスキなんやろうか?
そしてあいつはなんでこんなことはじめたんやろう・・・。
「ああ、ダメやっ」
こんなままごとみたいな付き合い方、
―― もう、おしまいだ。
これで『永遠にサヨナラ』も、俺は辞さない覚悟だ・・・
「なぁ、させてぇなぁ・・、」
ヤラシイ衣擦れの音が聞こえる。いつもと同じようにことがはじまる。
・・でもひとつ、決定的に違うのは、今回はいつものように流されてまりあの誘いに乗ったのではなく、自分から望んで、仕掛けて、行為に及んだということだ。
いいともわるいとも言わないうちに、俺はまぁをベッドに押し倒し、そのカラダを組み敷いて両手をシーツに縫い止めて自由を奪う。
「なんか怒ってるん?」
俺の突然の変貌ぶりにきょとんとなっているまぁが間抜けに訊いてくる。
「・・。黙っときぃ」
なにも答えたくなくて、うまい言葉が見つからなくて、ついぶっきらぼうなる。
―― ほんま、コイツ。なに考えてるんかわからない。
このワケのわからない焦りと、行き場のない熱を押し付けるように、目の前にあった無防備な唇を奪う。
・・息継ぎする暇なんか与えない。
そこから精気を吸いつくすような、貪るようなキス。
いまさら止めてとか泣き叫んでも、もう止めたらへんからな!
最初に仕掛けてきたんは、おまえの方からやったんやからな!
俺をこんなに混乱させて・・・
長く激しいキスに、まぁがもがきだす。
「まぁ。責任、取ってや・・」
これでもし、すべてがおしまいになってしまっても、・・かまわない。
逃げないようにまぁの上にまたがって、ブチブチブチッとブラウスが不満を洩らすのを無視してそのボタンを乱暴に引きちぎる。
ホックを外すのも面倒で、そのまま強引にブラをたくし上げ、そこに顔を埋める。
そして俺はまぁの乳首を吸ったり摘んだりして少し強めに弄び、そちらに気を取られている隙に、隠し持っていたローターを下に滑らせていった。