最終回『真実のアイはいつもひとつ。』-2
「で、返事はどーしたんだよ?」
と、俺は必死で動揺を隠しつつ尋ねてみる。
「えぇ〜。そんなのセフレのしゅーちゃんには秘密だよぉ、個人情報保護法だよ〜」
なんて、はぐらかされた。そんな曖昧な答えに、
俺は、・・マジで泣きそうになった。
―― なんでなんだよ。
俺はまぁにとってただの『セフレ』なんだ、ということを改めて実感した。
・・・俺はいつの間にか、アイツのセフレという地位では満足できなくなっていたのだ。
―― だからセフレってなんやねん!
なら、なにに俺はなりたいというのだろう?
そんなのわざわざ言わなくたって、必然、答えは見えていた・・・。
カンタンだった。単純だった。そして明快だった。
それは前々から・・、俺は薄々気が付いていたはずだ。
* * *
ついついお互いキモチイイが先行してしまっているけど、・・こんなんでいいのか? ほんとにこんなんでいいのか?
お互いが、それぞれ勝手に気持ちいいだけで・・、こんなただオナってるみたいなこと!
「こんなん、いいワケないやろーっ!」
・・・俺は自分の心に問い掛ける。
セフレだからキスなんてしないと思っていた。
そして、セフレだから、こんなにも相手のことが気になるようになるなんて考えてもいなかった。
「あっかぁーんってっ!」
もう俺はアタマを抱えて叫ぶことしか出来ない。
―― なんかこれっておかしくないか? すっごいヘンなことになってないか?
いまさらながら、俺はこの状況の不自然さに気付く。
これって、すでに俺はまぁを手に入れてるってことなんじゃないのか?
俺ってば、俺ってば、俺ってば・・・っ!
そーやないのか?
誰かそうだと言ってくれ。・・・だって俺ら、
―― あんなにヤリまくってるんやし。
「なんでやねん。」
今回ばかりは俺自身にビシッと裏拳付きのツッコミを入れなければならない。
まりあは、はじめから俺のことを昔のように「しゅーちゃん」と呼んでくれて、俺も変わらず「まぁ」と呼んだ。
コレっていったいどーゆーことやったんや?
まぁにとって俺っていったいなんやったんやろう?
幼馴染?
タダのご近所さん?
セフレ?
今の今まで考えてなかったけど、『セフレ』というのを言い訳にして・・・、
コイツとのこの関係は、いわゆるアタマより先、カラダが動いちゃった的な?なんていうかフライングのような関係で。