投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

やさぐれ娘は屋上で笑うの最初へ やさぐれ娘は屋上で笑う 17 やさぐれ娘は屋上で笑う 19 やさぐれ娘は屋上で笑うの最後へ

#01  邂逅-18

ふと私はカバンの小物入れからマッチ箱を取り出した。岐島から昼間、貰ったものだ。

すると、確かに筆記隊で『パブリック・シークレッツ』と書かれてある――ように見えた。

パブリック・シークレッツ?『公然の秘密』ならオープン・シークレットじゃないのか?

いや、それよりも……これは確定的な証拠が出てきたぞ、おい。

私は唖然と、口を半開きにさせた。

横では皐月さんが疑問符を浮かべている。



「あれ?知ってたんじゃあ……」

「し、知るわけねぇだろ!なんつードッキリだ、これ!?カメラはどこだっつうのっ!?」

「うっそ。やっば……」



皐月さんの顔が見る見る青くなっていった。ハンドルを持つ手がプルプルと震えている。

見ると車は奇妙な蛇行走行を開始していた。

――私も青くなった。



「さ、皐月さん!前っ、前っ!」

「はっ――」

「はっ、じゃねぇ!危険運転で捕まっぞっ?ジャガーで危険運転って超ダセェよ!?」



私は身の危険を感じたために言葉を選ばず、罵った。

一方、皐月さんはすぐに我に返り、ハンドルを握り直し、安全運転を再開している。

が、やっぱり、表情は暗かった。



「うっわ〜……どうしよ、萌ちゃん?」

「知らん。…………たっ――ただ、うな垂れて前方不注意だけは止めて下さい!」

「運転教官!?」

「――で?どうしたんだよ?」

「聞いてくれる?」

「聞かなきゃ事故るだろうが!」

「聞いて聞いて。そして、助けて!」

「…………」


やさぐれ娘は屋上で笑うの最初へ やさぐれ娘は屋上で笑う 17 やさぐれ娘は屋上で笑う 19 やさぐれ娘は屋上で笑うの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前