最初の命令-2
「はい。わかりました」
ずっと携帯を見つめて返事を待っていたんだろうな。
そう考えると愛しくなる。
今まで何人もその手の開発を施してきたが、ここまでの逸材はいなかった。
胸がキュッと絞めつけられるような感覚も初めてだ。
携帯を握り締めて感慨に耽っていると授業に向かう途中の女教師が声をかけてきた。
「相良先生。どうしました?具合でも悪いですか?」
「いえ。大丈夫です」
お得意の笑顔を振りまくと、顔をポッと赤らめて小走りに去っていった。
その後ろ姿を冷たい視線で見送る。
女性経験も人並みにあるし、同じように被虐性をはらんだ相手に行為をしたことがあるが
どこか感情がぽっかりと抜け落ちていて満たされないでいた。
ある時、実沙希より少し上くらいの少年に手を出してみると、今まで味わったことのない感覚が生まれ、今まで埋まらなかった空間がどんどん埋まっていくことに気付いた。
苦しげに喘ぎながら、涙と涎でグチャグチャの顔で許しを請う姿は僕の心を無性にかき乱すのだ。
めちゃくちゃにしてやりたい。
また、あの表情を見たい。
実沙希が苦しみながら、快感に打ち震えて自分の足元にすがりつく姿を見たい。
想像して自分も勃起してしまいそうになり、なんとか理性で押さえ込んで何食わぬ顔で教室へと戻った。