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龍之介
【姉弟相姦 官能小説】

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龍之介・六-3

「早く出なさい!」
「熱っ!お前、何すっ、熱い!やめろ!」

かちんときたので頭からお湯をかけてから出てやった。
こうしてふざけてると、あの頃に時間が戻った様な気がした。

・・・私も、龍之介も、すっかり純粋な子供ではなくなってしまったけど・・・

着替えてアパートを出た時は8時を過ぎていた。初詣に行くには出遅れている。


「早く車買いなよ〜。免許取ってもう何年よ」
「まだ2年も経ってないぞ。それに歩いた方が痩せるぜ」


お腹を触られたので手を叩いた。
また触ってきたのでもう一度叩いてやった。
確かにここが出てるのは否定しないよ、でも他はまだ痩せてるからいいはずだもん。

30分近く歩いてようやく神社に到着した。駐車場は既に満車で、見渡す限り人でごった返している。
神社のかなり手前から人が結構あちこちにいたから、少なくとも空いてないだろうなとは思っていた。
一年で最初の日なんだから家でゆっくりしてればいいのに、と思ったけどそれは私達も同じか。

顔は寒い風が当たって冷えきってるけど、人に揉まれた摩擦で体は蒸し暑かった。

「葵、迷子になるなよ」
「きゃっ?!」

いきなり龍之介に手を握られて、肩に変な力が入る。

「しっかり繋いでないと、どこ行っちゃうか分からないからな」
「手のかかる飼い犬みたいな言い方しないで。龍くん」

上から包み込み、私の自由を奪う握り方では無かった。
しっかり指を私の指の間に差し込み、結んでいる。

(龍之介・・・本当に以前とは違うんだね・・・)

「それにほら」

親指で指差す先にはずらりと並ぶ屋台の列。

「はっきり言いなよ、何が言いたいの龍くん」
「並んでる間にあっちに行かない様にここで繋ぎ止める。酒以外にも、葵にとって危ない物があるからな」

呆れた様な顔で言われて、余計にへこみそうになってしまった。
龍之介の表情が物語る通り私は屋台があると吸い寄せられてしまうのだ。
虫が光を求めてしまうのと同じみたいに、生物としての習性なのかもしれない。


「行かないわよ。もう今年で21なのよ、馬鹿にしないでよね」
「どうだかな・・・」
「じゃあ、もし私が行こうとしたら、今夜はいつもより多くしてもいいよ」
「手を離せって事か?馬鹿言うなよ・・・」

そう言いながらも明らかに握る力が弱まっていくのが分かった。
恐らく、私が列を抜けようとするのを期待してるんだろう。

「・・・龍くんのエッチ」
「なな何の事だ、言い掛かりはやめろよな」

下らないやりとりをしている内に賽銭箱の前まで来ていた。
予め握っていた十円玉を投げ入れ、手を合わせる。



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