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聖夜
【その他 官能小説】

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聖夜(その1)-1

「…自責の怨念にかられた尊く清らかな魂よ…天に詩を歌い、地に詩を歌うがよい…
痛みによる呪縛こそ、あなたのすべての良心なのだから…

…さあ、あなたの大いなる悲劇の結末を、わたしが見とどけてあげよう…」

(ある詩人の言葉より)




恋人と別れたとき、私は湖畔のあのサナトリウムの近くにある古い教会を訪れた。ここの墓地に
は、私の父と母が眠っている。音が絶え、静寂に包まれた墓地に、白い雪が蝶のように舞いなが
ら降り続いていた。

教会の入り口には、質素に飾り付けられたクリスマスツリーの小さな光が、こぼれ落ちた涙のよ
うに煌めいている。死んだ父と母が、毎年楽しみにしていたクリスマスがまたやってくる。


妻子のある男性との恋だった。私はあまりに深く愛に溺れ、堕ちていった。堕ちていく先が見え
なかった。傷つくことがわかっていても、愛することが堕ちていくことだと気がつかなかった。

そして、死を決意した…。

でも死にきれなかった。私の手首に残る傷…あの人もまた私と同じところに傷を刻んだ。
彼の妻から涙ながらなじられ、罵られ、頬を平手でぶたれた。そのとき、やっと私は気がついた
のだ。私の心の中が、色褪せたすきま風に晒され、冷たく凍てついていることを…。




白髪の彫りの深い顔をした神父が手にした燭台の蝋燭の灯りが、揺らめきながら私の足元を照ら
している。冷気に包まれた教会の内部の側廊から、二重になった小さな扉をくぐると、地下へ続
く湿った石床の細い階段が続いていた。


「わたしについてきてください…」

地下の部屋の褪せた木製の重い扉を、神父はゆっくりと押した。扉の軋む音とともに、暗く冷え
切った部屋が、燭台の灯りでぼんやりと照らされる。澱んだ空気を隠蔽していたその部屋には、
窓ひとつなく、黒ずんだ石の壁で囲まれていた。

神父は扉を閉めると彫り込まれた壁の中に燭台を据える。神父の白い横顔が、蝋燭の灯りの中で
妖艶な優雅さを漂わせ、ぼんやりと浮かび上がる。


「失礼ですが、おいくつでしょうか…」と尋ねる神父の声が震えていた。

三十五歳という私の小さな声に、神父の頬が強ばり、虚ろな瞳で遠くを見つめるように何かを考
えていた。彼の紫色の唇がかすかに震えている。


「せ、背中を出してください…」

私は神父に言われるままに白いドレスの胸のボタンをはずしていく。神父はその私のしぐさを
じっと見つめていた。

はらりと白いドレスが床に落ち、私は全裸の白いからだを神父の前に晒す。私は服の下に下着の
一枚も身につけてはいなかった。いや…最初からそのつもりだった。


神父は、私の艶やかで青白い裸体に戸惑いながらも、その視線は私の体のすべての部分に注がれ
ていた。熟れた私の肌の匂いが部屋に漂う。神父は私から視線をそらし、私の後ろ側にある低い
位置の燭台にも蝋燭を灯す。その手は小刻みに震えていた。


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