第二話――魔人と聖人と聖女の王国-41
「ぱ、っぁ……ぱぅ――パスぁ!?…………ぅあ、ぱすくぅ……」
アリスは色欲に麻痺する脳を奮起させ、なんとか制止の声を発することができた。
やはりパスクは自分の頼みにはどんなときだろうと聞いてくれる。
――性交時にはたまに聞いてくれないこともあり、不安だったが……。
「…………はい?」
アリスをイジめるのに夢中だったパスクは不満そうに眉を下げて、首を傾げた。
そんな『魔人』へアリスは唇を尖らせる。
「きょうは、わたしがぁ……するんだ……きみは、んんっ――こらっ、腰を振るな!――だ、だからな……パスクは、動かないで……」
「はあ……まぁ、いいですけど――大丈夫ですか?」
「い、言ったろう?平気だ。いくぞ――――う、ぁ……っ!」
アリスはパスクの肩に手をつき、腰を上げた。
膣内を肉棒のカリ部でえぐられたかのような刺激に背筋に電撃が走ったが、アリスは耐え、今度はトスンッ、と腰を一気に落とした。
「ふぁ……ぁ、ぅああっ!」
――たった、一往復。
それだけで軽く果ててしまった。
隠していても繋がっているパスクにはバレているだろうが――言わないのは女の意地だ。
「うっ――ふむぅ、んんっ――あ、はぁっ、んぁ――ひぅ……」
一回、たった一回上下させるだけで身体中から汗が吹き出てくる。
それでも、アリスは必死になって腰を振り続けた。
愛液が潤滑油代わりになっていたため、動き自体にそんなには抵抗がないのが救いだ。