第二話――魔人と聖人と聖女の王国-35
「ん〜……ちゅ、るる……れろ……」
「ぁ、う……あ――アリスさん……」
頭上からパスクの切なげな声が聞こえた。
なんだか、気分が良くなる。
きっと、パスクも自分へ愛撫するときはこんな気持ちだったのだろう。
パスクの上気した顔が見たくなり、視線を向けた。
すると、目が合った。
濡れた、色っぽい切れ長の目だ。
だが、その瞬間、彼の逸物がビクンッと大きく跳ね上がった。
「――んんっ!?」
アリスの竿を握った右手からパスクは逃げ出した。
当然、舌の攻めからも、だ。
「ぅ〜〜……んぁむ……」
「ぁっ……くぅ……」
ムッと唇を尖らせたアリスは、今度は逃さないように大きく口を開き、ソレを咥えた。
前回の教えも覚えており、歯を立てないように慎重に舌でソレを舐め上げ、巻きつけ、吸い上げる。
その度にパスクが小さく呻くのだが、それが溜まらない快感となってアリスを悦ばせた。
そして、上目遣いで見つめるとパスクが興奮することもたったいま、学習したアリスは始終、ソレをしてやる。
クチュ、チュル――ズズズッ、チュ…………
当初よりも一段とソレが大きくなったような気がする。
気のせいではないだろう、熱さも増していた。
すでに鉄を思わせるほどの硬度だ。
限界が近いことは察せられたが、どうも、勿体ない気がする。
――そうだ!
「ん、ゅ…………〜〜ぱぁっ」
「はぁ、んっ……ぅ…………?」
アリスは最後に管でも扱うように先端を吸い上げると口を離した。