第二話――魔人と聖人と聖女の王国-34
「……ぁっ」
「どうかしましたか?」
「〜〜っ…………」
その過程で右乳房に熱く隆起したソレが触れてしまい、思わず声が上がってしまった。
弄ばれたおとへの僅かな反抗だろう、パスクがニヤけて聞き返してくる。
もしかしたら、胸へもワザと挿したのかもしれない。
アリスは熱くなる頬を意識の外に置いて、匍匐を再開した。
そして、パスク自身が眼前に来る位置まで辿りついた。
まだ湯浴みはしていないし、昨日からどれだけの汗をかいたのかも分からないほどだ。
雄の臭いがアリスの嗅覚を刺激した。
だが、
――この、匂いですら心地よく感じるとは……変態か、私は?
大きく頭を振るとアリスは舌をその赤い上下の唇の間からソロソロと挿し出した。
舌の先端が震えているのが目の端に映る。
まるで、犬猫が水分を摂取するときのような仕草である。
――は、恥ずかしい……。
いや、それでも、すでに一度(まぁ、無理矢理だったが)口に入れたことがあるのだ、大丈夫。
いや、もう、ほんと――大丈夫、のはずだ。
アリスは意を決し、舌先をパスクの亀頭部へと近づけていき――そして、触れた。
「――んっ!」
チラリと見るとパスクが眉間にシワを作って、刺激に声を漏らしているところだった。
その反応にちょっと嬉しくなったアリスは舌の平を亀頭部へ丹念に這わせる。
そのザラザラ、ツルツルとした絶妙な感触を味わいつつも、右手で輪っかを作ると竿部を上下に扱いた。