第二話――魔人と聖人と聖女の王国-33
「ア、 アリスさんっ?」
「ん?なんだ?」
「顔が……怖いのですが?」
「ふふんっ――気のせいだ」
「ああ……また、一段と意地悪く――んくっ?」
パスクが何事かもぞもぞと言っていたが、台詞半ばに息を呑んで中断を余儀なくした。
――まぁ、自分が直に触ったからなのだが……。
アリスはもう一度、パスクのズボンの中に滑り込ませた右手の平で先端の半球を包み込むように解すと手を抜いた。
パスクのズボンの腰布を解き、スルスルと膝の辺りまで下すと下着も同じように脱がす。
ビクンッ!とパスクの性の象徴が跳ね上がるように姿を現した。
外気の冷たさすらも刺激になっているのだろう、ピクピクと震えている。
――か、可愛い。
アリスは一瞬、頬を緩めかけた自身を戒める。
しかし、再度見てみても、どこか愛らしさがあった。
普通の男性器ならばグロテスクで不快感しか覚えないはずだ。
きっと、パスクのだからこその感情である。
アリスは半ば無意識の内に左手で竿部を扱きながらも、右手で先端部を弄ってやる。
内液が溢れ出し始めており、右手の指をヌメヌメと濡らした。
その半液体の感触すらもアリスには心的快感となってしまう。
丹田の奥が疼き、内股に自然と力がこもった。
そんな自身の変容――発情ではない、断じて!――を悟られるのを恐れたアリスは一旦、手をソレから放すと匍匐で後退していく。