俺のすべてが朱に染まる-6
「お見事ですね」
事件発生から数時間での解決に、新米警官は興奮気味だった。
「なにが見事なもんだ。女の子は……」
対して警部は仏頂面を崩さない。
「あ、すみません」
新米警官は自分の浅はかな言動にはっとして身をすくませる。
「気持ちはわからないでもないがな」
「はい、警部」
血気盛んな部下をたしなめる警部は、痛む足を見る。
「ま、赤坂君がつまらない揉め事にも応援要請のおかげで早急な解決に繋がったわけだ」
「警部、それはいいっこなしでお願いします」
「いやいや、褒めているんだ。たかが引きこもりが暴れていると先入観を持てば、発見も遅れたわけだし、赤坂君の警察としての嗅覚がものをいったわけだ。いや、なにか運命的なものを感じるよ」
「まったく、赤井さんには頭が下がります……」
パトカーはまもなく近くの病院へとたどり着くころだった……。
俺の全てが朱に染まる……! 完
お題は見てのお帰りに・・・参加小説