オカシな関係2-3
「何が出てくるの?発掘してあげよか?」
「探してもいいけどさ。まあ、察しはつくと思うけど」
やっぱり、H系のものか。
こいつ、そういうの自分でバラしちゃうか。
腹がたったり、嫌悪感はなかった。そういうことをぽろっと言っちゃうのが涼ちゃんらしいと思った。
どこまでも嘘がない。だから、私はこいつといるのが楽なのだ。
ふと、気が付くと、涼ちゃんがじっと私を見つめていた。
「なに?」
涼ちゃんはキスをしてきた。
何度も触れてそのままベッドに転がった。
そうだよね、涼ちゃん。こういうシチュエーションはそういうことだよね。
「ん…」
「好きだよ。大好きだ…」
抱き締められて涼ちゃんの身体の重さが心地よい。
大丈夫。
私は自分に言い聞かせていた。
私だって、涼ちゃんが好きだもの。
だから、大丈夫。
もう、大丈夫。
涼ちゃんの舌が入り込んでくる。
「んん…」
絡めてくるソレはとても柔らかく甘美だ。
離れた涼ちゃんの頬を両手で包んで引き寄せる。
こんな童顔のクセにちゃんとヒゲは生えてるのね。
私は妙なことを思いながら、もう一度、そっとくちづけた。
涼ちゃんが私のシャツの中に手を入れてきた。
ブラの上から胸をまさぐる。
少し怖くて。
いや。
恐怖が膨らんでくる。どうしようもなく。
怖い!
「嫌っ!」
私は涼ちゃんを突き飛ばしていた。
「あっ… ごめん…」
謝りながら涙が止まらない。
歯の根があわない。寒くもないのに震えてガチガチと音を立ててしまう。
好きなのに。
涼ちゃんのこと、好きなのに。
キスも抱きしめられるのも大好き。
なのに。
いつも笑ってる涼ちゃんの顔が強ばっていた。
当然だ。
涼ちゃんはそっと部屋を出ていってしまった。
嫌な記憶。
「どうして忘れてくれないの…」
情けなくて、哀しくて、寂しくて、申し訳なくて。