龍之介・伍-4
「やっと、こうしてくれたね。龍くん・・・」
微笑みながらもその眼は何処か哀しげで、思わず強く抱き締めてしまう。
肌が氷の様に冷たく感じるのは、ただこの部屋の日当たりが悪いせいだけじゃないだろう。
「こんな格好じゃ寒いだろ。着せてあげるから・・・」
脱ぎ捨てたセーターを取ろうとしたら手首を掴まれた。
「寒いの。だからあっためてぇ・・・」
「ね、姉さ・・・んっ?!」
いきなり唇を奪われ、更に舌をなめ回されてしまう。
渇いた舌が潤ってアルコールの味が染み込んできた。
「これでもう十分だよな、あとはこのまましばらく抱いててあげるから」
「それじゃ駄目なのぉ。龍くん、ずっと私が誘ってもしてくれなかった。もう無理、限界なの」
もう一度キスしてくるのを止めさせようとしたが、同じ様に舌をねじ込まれてしまう。
(嫌だ、ここでしたらあの時に逆戻りだ。だから・・・)
大学に合格したのを聞いた日の夜、姉さんの涙を見て自分の過ちにようやく気付いたんだ。
もう二度と姉さんを傷つけちゃいけない、もう二度と会っちゃいけない、そう決めたのに・・・
「んふぅうっ、んっんっ、んちゅうぅ・・・ちゅぱっちゅるるる、んちゅ」
唾液を吸い取られ、姉さんの唾液を流し込まれて無理矢理飲まされていく。
いやだ、やめろ怖い。自分が制御できなくなっちゃう、やめてよ姉さん。
どうして分かってくれないんだろう、俺の気持ちを。
(もしかして俺が怖がってるだけなのか。姉さんはもう、過去の事として割り切ってるのか)
「今度はぁ、龍くんからぁ、してほしいな。えへへぇ」
姉さんの艶々な唇から熱い吐息が漏れて、一度、二度、そしてもう一度俺の顔を撫でた。
(もう、どうにでもなればいい。我慢なんてしなくてもいいんだ)
吐息の匂いを嗅いだ時、それ以上姉さんの意思を勘ぐるのも、考えるのも止めていた−
「んん〜っ、んっ、ちゅっ、んん、んっ」
重なる唇の隙間から微かに姉さんの嬉しそうな声が漏れている。
俺が言いなりになるのを待ってたんだよな、姉さん。
だったら望む通りにしてやる。それで姉さんが喜ぶなら、させてもらおうじゃないか。
「ひあっ!!」
少し乱暴にブラをずらし、乳房にむしゃぶりつく。
小さくは無いが、無理をしなければ谷間が出来ない程の大きさだった。
それでも初めて味を知った時よりは大分膨らんでいる。
「痛いっ、龍くんもっと優しくしてぇ・・・」
「分かってるよ、姉さん」
わざと乳首に歯を立てると、びゅくんっと胸を突き出して反応した。
今にも泣き出しそうな顔で咀嚼している俺を見ている。
「なんでそんな嫌そうなんだよ。ずっと俺としたかったんだろ」
「違うのぉ、意地悪なんてしてほしくない。龍くんはもっと優しいはずだよ・・・」
そう言われても困るな。
俺は自分を優しいだなんて思った事もないし、姉さんが思う様な弟じゃないよ。
白い胸は跡がつきやすく、乳輪の周りが真っ赤になっている。